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優勝と言うと

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第三章

「やったね」
「フラグか?」
 クラスメイトは頭の上にクエシチョンを出して言った。
「これって」
「阪神が優勝を逃すだね」
「ああ、確かに阪神は凄い人気があってな」
 そうしたチームでというのだ。
「ファンが多いよ」
「マスコミにだってファンの人多いね」
「そうだよな」
「もうデイリーなんかね」 
 寿は愛読しているこのスポーツ新聞の話した。
「それこそだよ」
「ファンの人達が作ってるな」
「そうした新聞だよ」
 まさにというのだ。
「あそこはね」
「だからそうした本や番組が出るな」
「その通りだね」
「巷にもファンが多くて」
「おまけに熱狂的な人まで多いね」
「お前みたいにな」
「だからそうした本や番組も出来るんだよ」 
 寿はクラスメイトにその通りだと答えた。
「作る人達も嬉しいし読んで観る人達もね」
「嬉しいからか」
「そうした本や番組が出るのも阪神だからだよ」
 このチーム故にというのだ。
「現に他のチームじゃないからね」
「そうだよな」
「いいことだよ」
 寿は心から述べた。
「皆阪神が大好きだってことだから」
「ああ、けれどそれがな」
「フラグだね」
「それになってないか?」
 こう寿に言うのだった。
「どうもな」
「気のせいだよ」 
 寿はそれは否定した。
「多分ね」
「多分かよ」
「確かにそうした時もあったけれど」
「たまたまか」
「そう、たまたまだよ」
 こうクラスメイトに話した。
「それはね」
「そうだといいけれどな」
「甲子園にはマモノがいて」
 都市伝説の話もした。
「道頓堀のケンタッキーのおじさんもだよ」
「祟ってるっていうな」
「そう言われてるけれど」 
 それでもというのだ。
「たまたまだよ」
「そうか」
「阪神には沢山のファンと英霊の人達の想いがあるんだ」
 寿は言い切った。
「マモノやケンタッキーのおじさんなんてね」
「いないか?」
「いないよ、優勝出来なかったのはそれも野球だよ」
 こう言うのだった。
「いつも後半失速するのは改善点だけれどね」
「そこは論理的だな」
「やっぱり優勝するにも根拠があるからね」
 事実寿は論理的に述べた。
「そこを何とかすることはね」
「大事か」
「やっぱりね、けれどね」
「それでもか」
「優勝出来ないのは残念だよ」
 この気持ちは隠さなかった。
「優勝したいのに」
「それで皆調子がいいとか」
「優勝って言うんだよ、フラグかって言うと」
 ここでだ、寿は。
 これまでの論理的なカラーを見る見るうちに弱めてだ、オカルトチックな方に傾いていってそのうえで述べた。 
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