| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十一部第四章 一日のうちにその四十五

「それを邪魔して」
「そのうえでな」
「はい、エウロパを復興させ」
「発展もだ」
 どちらもというのだ。
「決してだ」
「連合としては望ましくないですね」
「そうだ」
「だからですね」
「あの御仁も何とかしたいが」
 ギルフォード、彼をというのだ。
「それがだ」
「出来ないですね」
「エウロパに連合市民が入ることはな」
「出来ないですね」
「到底だ」
 それはというのだ。
「不可能だ」
「連合からエウロパに入ることは」
「そうだ、出来ない」
 直接入ることはというのだ。
「連合とエウロパの国境は緊張状態にある」
「今現在も」
「エウロパ戦役前からな」
「そうした状況ですから」
「直接入られない、ならだ」
「サハラやマウリアからですが」
「そちらの入国もな」
 これもというのだ。
「エウロパ側の監視が厳しくな」
「二重三重どころかだ」
「五重六重のチェックシステムで」
「だからだ」 
 そこまで厳格だからだというのだ。
「入ることは出来ない」
「サハラやマウリアからも」
「到底な、だからな」
 それでというのだ。
「エウロパに入ってな」
「ギルフォード総統を暗殺しようとしても」
「それもだ」
 こうした場合によく使う政治手段もというのだ。
「出来ないからな」
「残念ですが」
「そうだ、ギルフォード総統を除くことはな」
「無理ですね」
「そうだ、他にもだ」
「ギルフォード総統を失墜させる謀略は」
「使いたいが」
 しかしというのだ。
「それがだ」
「出来ないですね」
「あの御仁は身の回りが奇麗だな」
「聞く限りでは」
「そうした状況だからだ」 
 それでというのだ。
「余計にだ」
「スキャンダルを攻めることも」
「それもだ」
「出来ないですね」
「賄賂や女性関係だのな」
「そうした話もない」
 一切というのだ。
「そうだからな」
「それで、ですね」
「そちらで攻めることもな」
「出来ないので」
「余計にだ」
「厄介ですね」
「そうだ、有能で清潔な敵なぞだ」
 キロモトは忌々し気に語った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧