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星河の覇皇

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第八十一部第四章 一日のうちにその四十二

「ですから」
「それでだな」
「暫くは創業に専念します」
「間違いなくな」
「建国早々、統一した直後から大々的に外に出ることは」
「優れた統治者ならしない」
「アッディーン大統領もシャイターン主席も」
 つまり二人が優れた為政者だというのだ。
「ですから」
「我々はな」
「サハラはサハラとし」
「連合は連合でな」
「即位の時位を考えて」
 その様にしてというのだ。
「連合のことに専念しましょう」
「それが妥当だな」
「はい、そして対外的にはサハラよりも」
「エウロパだ」
 キロモトは自らこの国の名前を出した。
「やはりな」
「そうなりますね」
「あの国はな」
「エウロパ戦役から予想外に早く復興し」
「今は発展してな」
「しかもです」
 そのうえでというのだ。
「軍もです」
「拡大こそしていないが」
「その技術がです」
「発展していてな」
「そうなっていて」
「油断出来ないな」
「まるで、です」
 アッチャラーンはこうも言った。
「第三帝国初期のナチスかブラウベルグが登場した」
「あの時の様だな」
「大統領もそう思われますね」
「まさかと思うが」
 キロモトはこうも言った。
「ギルフォード総統はそのブラウベルグのだ」
「生まれ変わりですか」
「そうも思うが」
「輪廻転生はあります」
 アッチャラーンも信じていることだ、彼はタイ人で仏教徒であるので仏教の教えのこの考えを信じているのだ。
「ですから」
「有り得るか」
「そうも思います、彼はブラウベルクかです」
「ヒトラーの生まれ変わりか」
「ヒトラーの様に人種的偏見はない様ですが」
 それでもというのだ。
「その資質はです」
「ヒトラーの様だな」
「はい」
 まさにというのだ。
「若しくはブラウベルグか」
「その域だな」
「そう思います」
 実際にというのだ。
「あの御仁は」
「国難の時にこそ英雄が出る」
 キロモトは苦い顔でこの言葉も出した。
「そういうものか」
「人類の歴史では時折ありますね」
「然るべき時に英雄が現れてな」
「国と民を救います」
「そうしたことがあるな」
「カエサルにしても」
 アッチャラーンはこの英雄の名前も出した。 
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