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おぢばにおかえり

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第七十一話 詰所の中その四

「だからね」
「それで、ですか」
「そう、ちゃんと教えてあげてね」
「わかりました、ただ新一君は」 
 また新一君を見て言いました。
「安全ですか」
「これまで二人でいても何もなかったね」
「逆にボディーガードみたいなこともしてくれました」
 実際にそうしてくれました。
「おさづけを頂いた時に」
「そうだったね」
「はい、あの時は有り難かったです」 
 女の子が夜道に一人で歩くことは本当に危ないことだからです、おぢばでも油断出来ないとはよく言われます。
「本当に」
「そうした子だから」
「安全ですか」
「だから千里ちゃんの方がね」
「私も何もしないです」
 というか何かしようとも思いません。
「全く」
「そうなんだね」
「はい、というか何をするのか」 
 それすらです。
「それがわからないんですが」
「それわからないのが千里ちゃんだね」
 次郎さんは私の今の言葉に笑顔で応えました。
「本当に」
「わからないことがですか」
「その辺りの勉強もしないとね。あと阿波野君も」
 今度は彼に言いました。
「もうちょっとね」
「僕もですか」
「積極的にいっていいよ」
「えっ、そうしていいんですか」
「君も奥手だよ」
「僕はそういうことは」
 何か急に怖気付く新一君でした。 
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