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星河の覇皇

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第八十一部第四章 一日のうちにその八

「その宙形も利用してです」
「非常に堅固な防衛線です」
「その防衛線で防衛に徹すれば」
「オムダーマン軍が先程の様な謎の奇襲を使っても」
「シャイターン主席ならですね」
「守りきりますね」
「そうなればだ」
 ティムール軍がオムダーマン軍の総攻撃を凌げばというのだ。
「ティムール軍は今回の会戦の敗北の傷を最小限に抑えられてだ」
「それで、ですね」
「戦争をまた対峙の状況に戻せて」
「それで、ですね」
「機会があればティムールは勝機を見出す」
「そうもなりますね」
「そうなれる、だがどうも今回の会戦は」
 准将はここでも眉を曇らせて言った。
「シャイターン主席らしくない戦術だったな」
「攻勢を得意とされる方ですね」
「そこはアッディーン大統領と同じですね」
「機動力を駆使した攻撃も得意で」
「そこもアッディーン大統領と似ています」
 アッディーンはアステロイド帯の突破や急襲もしてきた、そすいて敵の意表を衝いた戦術で数や状況で勝る敵にも勝ってきたのだ。
 だがシャイターンもだ、機動力を駆使して勝ってきている。それでエウロパ軍の観戦武官達もここで言うのだ。
「とかく攻勢が得意です」
「そうした采配の方ですが」
「この度の会戦ではどうも」
「守りに過ぎましたね」
「そして奇襲にも弱かったです」
「あの方は敵の攻撃にも敏感ですが」
「そうだ、敵の攻撃にも敏感だ」
 准将も言った、そこもシャイターンの特徴であり強みだというのだ。
「だからアッディーン大統領の攻撃に常に対応出来たな」
「まるで格闘家同士の対決でしたね」
「これまでの二度の会戦は」
「ボクシングの応酬の様でした」
「それもスピードタイプ同士の」
「そしてどちらの会戦も長かったです」
 長期に渡ったというのだ、会戦にしては。
「それぞれ五日にも渡った」
「会戦としては驚異的な長さでした」
「その間常に激しい攻撃とそれの対応の応酬で」
「まさにボクシングの様でした」
「これまでは」
「それが先程の会戦ではな」
 ティムール軍、彼等はシャイターンの采配であるそれはというのだ。
「守りに徹していてな」
「攻撃には出ず」
「それも最初から最後まで」
「オムダーマン軍の攻撃にも対応が鈍く」
「対応しきれていませんでした」
「謎の奇襲にも」
 これにもというのだ。
「全く対応出来ず」
「その結果でしたね」
「敗北を喫しました」
「それも大敗北です」
「惨敗と言っていいです」
「シャイターン主席のはじめての敗北だが」
 そしてというのだ。 
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