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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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33話 Aqours☆HEROES

 
前書き

仮面ライダーダークキバ   変身者 小原魁

パンチ力 20,000t
キック力 30,000t
ジャンプ力 25,000m(ひと跳び)
走力 0.012秒(100m)


核爆弾の3倍の衝撃波に傷一つ付かぬ鎧を装着しており、変身者の魔皇力を受け入れる器や精神力が膨大であるほどにその基礎スペックはどこまでも上昇してゆく。実際小原魁の器により、基本の1000倍のスペックを現時点で発揮できている。

万が一攻撃によって鎧を破られた際は、その攻撃を2度と通さぬようにさらに鎧の強度が強固なものとなる。



 
エグゼイド   
 
アギト〜ビルド(ディケイドを除く)のガシャットを製作したことでそれらライダーの全ての武器を使用可能になった。とき同じくして開発されたガシャコンバグヴァイザーIIによって、それらライダーのどのフォームでもデータとして召喚が可能。
 

 

「うーん............................」
「どうしたんだ?」
「いや.................虎太郎、何かおかしいとは思わないか?」
「何がおかしいんだ?」
「果南の父さんが梯子から落とされたって話だよ。」
「ああ...............でも特におかしくはないんじゃないのか?」
「いや黒澤家に落とされたとしたら————————って話だよ。」


ダイヤに聞かされた時からずっと疑問に思っていたこと———————これは謎解きに大きく前進させるかもしれない。


「どこがおかしいと思う?」
「もしその話が事実だったとして——————夜にそれを《《実行できるかどうかの話》》だよ。」
「まさか———————」
「淡島は本州から渡るには定期便で行く手段がない。つまり船でも使わなきゃ犯行は不可能なんだよ。」
「でも黒澤家は網元なんだし、船くらい用意できるだろ。」
「そんな時間帯から船を動かして淡島近海まで近寄ればモーターの音で気づくんじゃないのか?潮の流れを使えば音を立てなくても実行できるかもしれないけど、そんなリスクを背負うより本州側に来たときに実行したほうがリスクは低くつくんじゃないか?」
「なるほど...................でもそうしたら誰が犯人か分からなくなるぞ?」
「確かに—————————!」


この瞬間に閃いた————————ダイヤから話された内容。果南がどんな心情を抱いていたか、鞠莉の留学話、鞠莉の怪我、そして殺人事件。全てを円滑に———————こんなことをして1つの結果をもたらしたのだとしたら..................後々の後遺症として残っている.............そこで利益を得るのはただ1人。


「サウザー——————————アイツしかいない。」
「何?——————確かにそれなら合点がいく..............................」
「それら起こったことが全てサウザーにしか得がないことだ。そんなにもラッキーが続くなんておかしいとは思わないか?」
「確かに...........................」
「もしそうだったとしたら........................!アイツは......................!!!!!」
「関係のない人を何の戸惑いもなく殺した—————————そういうことになるな...........」
「でも絶対に罪に問われることはないだろう。警察関係者も忖度で捜査を行き詰まらせてるんだろう........................よし、俺たちが策を打とう。」
「策?」
「ああ、これでサウザーに一矢報いてやる。そのためには——————!」 




—————※—————




「それで..................2人が組んでここに乗り込むなんて予想つかなかったよ。」
「生憎俺《《も》》目的のためなら手段を選ばないんでな。」
「果南..................ダイヤから聞いた。あなた私たちのために..................」
「勘違いしないで。ダイヤから何聞いたか知らないけど、私はとにかく嫌になったの。そんな苦しい思いをしてスクールアイドルなんかやりたくない!!!!」
「果南....................」
「何で鞠莉は—————————怖がってないの?見てきたでしょ?どんなに相手が怖い相手なのかって......................」
「でも——————————」


鞠莉も言いたいことは沢山あるだろう————————————がここで言葉に詰まってしまう。やっぱり正論なのだ。果南の言っていることは普通に考えれば正論極まりないのだ。でも俺たちはやりたいことがある。夢がある。そしてこの松浦果南という女性にも——————————


「果南、本当にそう思ってるのか?」
「え?」
「苦しい思いをするのが———————スクールアイドルじゃないのか?」
「———————————」
「鞠莉が言っていた。俺たちの知っている果南はどんな失敗をしても諦めなかった。たとえ失敗しても笑顔で前に進んでいた————————————それと苦しい思いをするのは嫌だというのは矛盾してるんじゃないのか?」
「才は................天才だから!!!!私の気持ちなんかわからないでしょ!?!?!?!?私より100兆倍賢くて!!運動も.................何もかも兼ね備えた才には私の気持ちはわからないよ!!!!!!!!」
「違う。今はそんなこと関係ない。」
「あるよ!!極め付けは仮面ライダー?っていうすごい力を手に入れてさ!!私には————————そんな力はないの!!!!!!!!!!!!」
「————————全く、論点がズレまくってるぞ。」
「はぁ!?」


俺の明らかに相手を挑発するような言動にものの見事に果南は引っかかってくれた。別に女性の心を弄ぶプロを名乗るつもりはないが、少なくとも男性の俺が『冷静になれよ』というニュアンスの言葉を感情が昂っている女性に投げ掛ければ怒りが湧いてくるのは至極真っ当である。

話は逸れたが、実際論点が大きくズレているのは事実であるので指摘させてもらっただけだ。


「果南、俺はお前に力がないとか俺が天才だとかそんなことを言ってるんじゃない。そもそもそんなものは普通なら必要ないからな。」
「———————」
「俺が聞いているのは!!お前がスクールアイドルを《《やりたいかどうか》》なんだよ!!!!!!」
「だから出来ないって言ってるじゃん!!!」
「そんなことない。できるできるかじゃない——————————やるかやらないかだ!!!!!!」
「でも..............................」
「お前らは1人じゃない。Aqoursっていう場所がある。お前らは自由に———————このスク活(ゲーム)を生きろ!!!!!」


「稜だけじゃない。俺や竜介先生、虎太郎...............................そして——————」


「俺たちは全力でお前らの夢を——-———《《絶対に守ってやる》》。」
「才————!」





——————果南に涙が零れたように見えた。いや零れている。鞠莉はその金髪が濡れるほどに号泣した。しばらくの間、泣き声しか聞こえない空間がそこには広がっていた。

俺は再度問いただす。するとこの天才に女神が微笑みを見せて、褒美として俺に取らせてくれた。



「果南、鞠莉———お前らの夢.....聴かせてくれ。」





「「私たち—————!!















輝きたい!!!!!」」





















〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





少しばかり時は遡る..................




「君たち.....正気で私の前に立っているのか?」
「当たり前だろ。今日はその余裕なくなるかもしれないけどな。」
「君をここで食い止めるのが私たち大人の仕事であり、我が主人の思し召しでね。」
「この先でスクールアイドルの抗議活動が行われていると我が社の社員から報告があってね。是非通していただきたいのだが—————————いいだろう。強情な無能教師と秘書にはお仕置きが必要だそうだ.........」
「それはまっぴらお断りだけどね——!」


兆一郎がサウザンドライバーを腰に巻き付けたのを見計らって、竜介はビルドドライバーを、祝はビヨンドライバーを同じく腰に巻きつける。そして3人同時に戦闘態勢に入る。


≪ゼツメツ!EVOLUTION! BREAK HORN!≫


≪ボトルバーン! クローズマグマ!≫


≪クイズ! アクション!≫


未来型の時計とマグマを溜め込んだ巨大坩堝。そして反対側には最強昆虫と名高いコーカサスオオカブトと重脚目の絶滅種のアルシノイテリウムが猛々しく動き回って牽制する。

『Are you ready?』とビルドドライバーから呼びかけられる。この場合は戦闘態勢に入り、その命を削る覚悟ができているかを兆一郎を除いた2人に問うものである。答えはもちろん—————————-


「「「変身(!)」」」


≪極熱筋肉! クローズマグマ!≫


≪ 投影! フューチャータイム! フューチャーリングクイズ!クイズ! ≫


≪パーフェクトライズ! THOUSER is born. Presented by “OHARA”≫


「行くぞ!!!」
「ああ!!」
「フン...............」




いつも通り——————クローズは超近接で戦い、ウォズは少しばかり距離を取って戦う。この適材適所の戦法は間違いなく有効だ。問題はそれでも埋められないスペック差とサウザンドジャッカーのジャックライズである。

サウザーのスペックは日々、少しではあるが上がっている。1日パンチ力が50トン程度上がっていると見ていいだろう。だがそれはあくまでテクノロジー上の————————カタログ上の話に過ぎないのである。感情論抜きの空虚な戦いだ。

一瞬たりとも気を抜くな。感情を.............昂らせるんだ。




今日は昨日の大雨が嘘のように快晴そのものである。地面にこそ水滴があるが———————蒸発して湿度を上げている。ジメジメとすれば一見どちらにも不利になると思うだろうが、そうではない。

浦江竜介———————仮面ライダークローズは違う。その舞い上がりそうな水蒸気を上昇志向のように捉えて戦っているのだ。ムズムズと虫がゆいそれを高揚感と錯覚しているのだ。

クローズマグマのパンチを思い切り喰らうサウザーではあったが、効果は今ひとつだ。その装甲は格下の敵には最も硬い防御とも言えよう。それでも攻撃の手を緩めない。緩めれば反撃の糸口が見つかってしまうからに他ならない。


「フン!!」
「どわぁぁぁぁぁぁ!!」


ようやくその攻勢をサウザンドジャッカーの一閃で止めることができた。怯んだ隙を狙って、ミドルキックを前方から喰らわせる。

ノックバックを受けたクローズではあるが、再び慟哭を叫びながらサウザーにパンチを喰らわせていく。今度は先ほどの攻勢とは打って変わって、その攻撃を防御または躱している。おそらくはサウザーに取り付けられたサウザンドシグナルが超高速処理演算を行なって、その攻撃1つ1つに最適解を実行しているのだ。

クローズのパンチが見事にサウザーの顔と交差するのを見計らって———————右手から強力な腹パンをクローズに喰らわせる。

流石は100兆%アップしたパンチだ。その威力はクローズに大きく後退りさせるものだ。


「君たち如きがこの私に敵う確率は1%も存在しない!潔くそこを通してくれないか——————————?」
「それはどうかな?————————問題 君は今の私には倒せない敵だが、竜介君は君を超える力を秘めている...........⚪︎か×か.............」
「フン———————そんな答えは100兆%『×』だ!」
「正解は———————————⚪︎だ。残念だったね。」
「何?————————ぐわぁ!!!!」


フューチャーリングクイズの能力——————————⚪︎×クイズに不正解か未回答であれば、落雷を落とす能力がサウザーに炸裂する。この能力による落雷はダメージ値はその相手の体力に応じて変わるため、装甲は関係ない。だがサウザーには身体的ダメージはそこまで入っていないように感じる。でも今のでそれより大きく精神ダメージが入ったはずである。この戦法も有効手段なのかもしれない。


「小賢しいマネを————————!」
「ぐっ!」
「たとえ力を秘めていたとしてもそれを発揮できなければ意味がない!それに————————君が足手まといになるようでは勝てる日は来ない!!!」


サウザーはサウザンドジャッカーを怒りのままにウォズに斬撃を与える。フューチャーリングクイズは防御が非常に低いので、かなりのダメージが入ってしまうだろう。サウザーの傲慢な性格上、先ほどの一件は自尊心を大きく傷付けるものだったのだろう。

だがそんな状況でもウォズは仮面の中で不敵な笑みを浮かべる。


「それはどうなのかな....................?」
「何だと?」
「クイズの力はある程度の未来予知として使うことができる............それは何ヶ月後かもしれないが、今この瞬間かもしれないよ?」
「何?」
「よそ見するな!!!!!」
「!!!!!!!」


≪ボトルバーン! ボルケニックナックル!≫


罠————————というよりはただ単なるサウザーの注意ミスといった方がいいだろう。クローズのマグマナックルによる極熱がサウザーの胸に響く。

クローズマグマの力.................そうとは言い難い力がクローズに発現し始めていた。拳に重力の塊のようなものを纏ってサウザーに再び打つける。その力はサウザーの装甲を的確に抉った。


「ウラァァ!!!!」
「————————貴様らァァァァァ!!!!」
「何!スペックが上昇している—————————!?」
「何故君たちのような旧式ライダーに!!!!!!!!」


サウザーの怒りは凄まじいものであった。すぐさま立ち上がって、後ろにいたウォズを後ろ蹴りを喰らわせてから、クローズに対して猛烈な攻撃を仕掛けていく。高速でクローズの元に近づき、サウザンドジャッカーで切りまくる。

クローズをウォズのところまで吹き飛ばした後に、ジャックしたデータをとことん使う。ノブナガ魂の複製能力でクローズの東洋竜を複製し、それぞれにタイガーも炎やポーラベアーの氷、ホーネットの電撃、ホエールの水流、ペンギンのハリケーンを携えさせる。

5つのエレメントを宿した竜の息吹が2人を襲う。凍っては燃え、水流に電撃が走ってはその暴風が全てを破壊する。

変身解除にこそ至らなかったものの、その2人の体はコンビニ付近から、海開きをしているがまだ誰も入っていない三津海水浴場まで吹き飛ばされてしまう。


「フン————————君たちはここで廃棄処分だ...................!」
「させるか!!」


2人の体力はいつ変身解除になってもおかしくはなかった——————————だがここで偶然なのか、深天稜———————その男がサウザーの前に立ちはだかる。


「君か——————黙って東京に住んでいれば良かったものを.................こんな僻地の田舎の街を守ることに固執したがために..............愚かな話だ。」
「お前にそんなことを言う権利はない!俺は———————いや俺《《たち》》はこの町をお前から守り抜く!!この町の善意を————————!」
『善意か................!』
「!!!!!」
「魁——————」


稜に続いて現れた——————————サウザーにとってはあまりに予想外であり、たとえ味方として駆けつけてくれたとしても自身の忠告に反したことに怒りがこみ上げていた。

そんな父親を尻目に魁は恐ろしく冷静に佇んでいる。


「魁..................私が言った忠告を忘れたのか?」
「——————————俺は.............(キング)になる。」
「何だと?」
「でもその後を考えてなかった———————王になって何をするのか。何のために王になるのか—————————ようやく見つけた。」
「魁———————」
「俺は—————————みんなで.........笑えるような...................善意を守る!!」
「お前———————!」
「俺は善意あるこの町を守りたい!姉さんや.........稜.........そして才と一緒に!!!そして——————この町を潰そうとするお前を絶対に許さない!!!」
『そういうことだ。俺はコイツを王と認める—————!』
「キバットォ!!!!!!」
「行くぞ———————キバット!!」
「おう。」
「王の判決を言い渡す—————————敗北だ!!」


≪ガブリ!!!!!≫


全身の魔皇力が活性化される————————サウザーを倒せと言う使命感がより一層強まる。この町を———————善意を『闇』で守り抜けと。


「変身!」




キバットII世を掴んで、ベルトに対して逆さまに立たせる。闇のキバの鎧が形成されていく。仮面ライダーダークキバ————————その善意の怒りを仮面の中に宿す。


「お前を絶対に倒す————————!」
「いいだろう!いくら闇のキバに変身したといえども、証明してあげよう。この私には100兆%勝てないと!!」
「確かに1人じゃ勝てるかどうかは微妙だ。でもだから————————仲間がいる!!!」
「御託は結構だ。私は目的のためなら手段を選ばないのでね。たとえ息子でも徹底的に叩き潰す—————————!」


サウザーはダークキバに向かって、シャークの牙を鞭のように振るおうとする。だがそのような攻撃ではダークキバにはほとんど効かない。何せ核兵器でも傷一つ付かない防御力を遥かに上回る防御力を秘めているとも揶揄されているからである。

ダークキバの足元に青緑のキバの紋章が現れる。その紋章はサウザーの足元をすり抜けて、背後へと回り————————!


「ぐわぁぁぁ!!———————何だ.........?」
「お前を縛る———————誇り高き紋章だ!!」


その紋章に流れるエネルギーが拷問器具に流れる電流のような役割を果たしてサウザーを拘束するとともに苦痛(ダメージ)を与えている。

ダークキバが『こちらに来い』という手の仕草を行うと、その命令に従って紋章はその拘束を解いてサウザーをダークキバ側に放出する。

こちら側にやってきたタイミングを見計らって、サウザーの体に火花が散るほどのパンチを喰らわせる。そのノックバックで再び紋章へと拘束される。


「稜!一緒に行くぞ!!」
「ああ!!」
「はぁっ!!」


スペクターに変身した稜を招き寄せて、今度は同時キックで紋章から射出されたサウザーを紋章に引き戻させる。そしてパンチ———キック————ガンガンハンドでの銃撃とキック————————......................



無限ループは止まらない........................





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




走る、走る、流星の如く———————!


そんなことを考えながら必死に内浦の海岸を駆け抜ける。俺のスピードはどのくらい出ているのか正直よくわからない———————が、少なくとも運動神経が男勝りに良い少女たちを1mくらい離す早いはずだ。


「ちょっと才早いって!!」
「果南、お前それでも毎日走ってるのか?こんな状況なら限界を突破しろ!!」
「でも——————ふふっ、そうだね。」
「マリーもフルスピード出しちゃおうかしら?」
「フルスピード出す前に着きそうだ—————————!」


俺は急いで自分用に改造したスマホから通話を誘う。誘い相手は—————


「千歌!もうすぐ着きそうだ!」
『ホント!?果南ちゃんと鞠莉ちゃんは!?』
「もちろん一緒だ!もうすぐで海水浴場に着く!だからお前ら6人十千万から出てきてくれ!!」
『うん!!———————ってもう見えた!!」


通話の途中から実際に会ってしまう俺たち3人とAqoursの6人とダイヤ、そして虎太郎。十千万の玄関前でひと段落ついた後に、海水浴場まで少しばかり走る。


≪ウェイクアップ! ワン!≫


海岸がみるみる赤いもやに包まれたかと思うと、ダークキバは手をクロスさせて力をチャージする。そして右手にその魔皇力をフルチャージしたところで拘束されていたサウザーを引き寄せてその拳をフルスイングする。その力が凄まじいのかサウザーは火花を散らしながら大きく吹き飛んでしまう。

効いているようだが—————————力を十全に発揮できていないのか、致命打にはならなかった。

しかしその空白の時間が俺たち10人の存在に気づかせる時間となる。俺は陽気に声をかける。


「何やってんだよお前ら。」
「才————————!」
「竜介先生も祝も大人なのに情けないなぁ———————やっぱりモブキャラに引きつけ役は荷が重かったか。」
「モブじゃねぇし!!——————ったく!遅すぎるぜ!!!!!」
「戦況が何とも言えない状況でやってくるとは——————流石は我が主人だ!!」
「稜!魁!ご苦労様!」
「全く............お前は小さい時も登場はいつもこんな状況だな!!」
「状況が良くても悪くても遅く来あがって.............!」
「必ず遅くにやってくる———————それが仮面ライダー(ヒーロー)ってもんでしょうが。」
「どういうことだ——————?」
「全ては俺の作戦だったんだよ。」
「何!?」


ヒーローのご登場に怒り心頭で問いかけてくるサウザー。俺は自身ありげにスペクターとダークキバの間を通り抜けて、説明する。この間に竜介先生と祝の変身解除と怪我の点検を虎太郎に頼んでいる。


「俺は鞠莉と一緒に果南の説得をしている間に、竜介先生と祝に時間稼ぎをしてもらった。お前をスクールアイドルの抗議活動をしているような嘘のタレコミをお前の部下に送ったら見事に引っかかってくれてな。そしてここまで吹き飛ばされたところで魁と稜に交代して、そして俺も駆けつける————————全てはお前を倒す(パフォーマンス)を俺たち3人でやるために示し合わせた作戦だ!!!!」
「小賢しいマネを...............!」
「あなたにそれを言う資格はないわ!!!!」
「鞠莉ィ!!!」
「私たちの夢と希望を奪おうとするために私のお父さんに怪我を負わせて!!!!鞠莉にも怪我を負わせて——————!」
「黒澤と小原の対立を煽るために黒澤家と関係のあるだけの人間を無意味に殺した———————!」
「そしてこの町と皆を傷つけた!!!」
「姉さんだけじゃない。Aqoursのメンバーもお前は傷つけた!!!!」
「全ての元凶———————小原兆一郎!!!!!お前を絶対に許さない!!!!」


≪パッカーン! ハイパームテキエグゼーイド!!≫


「サウザー!!お前の運命は——————!俺たちが変える!!!!!」
「行くぞ!!!」
「「ああ!!!!」」



サウザーを3人で追い詰める。これこそが俺の望んだフィナーレだ。


前にも言った通り、俺と稜と魁は保育所からの男子3人組ともあって素晴らしい息の合い方をする。


ガシャコンキースラッシャーとガンガンハンドのロッドモードでクロスに切り裂いた後にダークキバのパンチ。俺のクロックアップスピードでサウザーの右隣に来て、その脇腹にかけてに一閃を描く。スペクターはそのノックバックを見越して、ガンガンハンドを銃モードに切り替えて集中射撃を始める。


シャインシステムの防御壁でその銃撃はガードされる———————はずであったが、ここでダークキバの紋章をサウザーに再び付与してサウザンドジャッカーを落とさせる。そしてある程度苦しめたところで、一気に引き寄せる。


引き寄せてからにガンガンハンドとキースラッシャーのクロス斬撃を斬撃を与えて再び紋章へ、そして引き寄せる。


次はサウザーがこちら側に来ているのを右横から光速の何百兆倍早く動いている俺がサウザーに向かってキックを放ち、その体を奥へと押し出す。


もともと疲弊していたサウザーにサウザンドジャッカーもなければ、もう防御性能はゼロと言っていい。



「何故だ————!あり得ない!!100兆%あり得ない!!!」
「教えてやるよ!!その理由はな———————俺たちが『Aqours☆HEROES』だからだ!!!!」



≪HYPER CRITICAL SPARKING!!!≫



≪ダイカイガン! スペクター! オメガドライブ!≫



≪ウェイクアップ! ツー!≫



黄金、群青色、青緑が錯綜する。俺たちは天まで届くかのようなジャンプをして——————————魅せてやる。Aqours(善意)の力を!





サウザーに3人の息のあったライダーキックを受け止め切れるはずもなく、黄金と群青色と青緑のオーラに包まれて、装甲が爆発する。



≪究極の一発! 完全勝利!!!≫





完全勝利がベルトによって告げられたと同時に俺たちは吹き飛ばされたサウザーの方を見る。爆炎から現れたのは、見るに堪えないつぎはぎだらけの黒スーツに顔と生身が傷だらけになったサウザーであった。


「魁ィ!!お前の居場所などもうないぞ!!!」
「そんなこと構わない。俺は姉さんと暮らしていく。幸い、ホテルオハラの所有者は姉さん名義だからな。」
「松浦果南!!いずれお前の大事なものが壊れるぞ!!!!」
「そんなこと絶対にさせない。私たちも—————才たちも守ってくれる。」
「高海千歌ァ!!私が活動できなくさせてやる!!!!」
「あなたがどんなに邪魔をしても、私はやめない。」


サウザーの言うことはただの負け惜しみにしか聞こえなかった..............




「このままで済むと思うな——————伊口才ァ!!!!このスクールアイドルAqoursは...................潰してやる!!!!!!!!」




これはゲーマーの性というものなのだろうか?こんな言葉を—————すぐそばに寄って掛けた。その肩にムテキのグローブを当てて..........






「—————————お怪我大丈夫ですか(超絶煽り)?」
「サワルナァ!」



俺の手を振り払い生まれたての小鹿のような足取りで帰っていった.........................





—————※—————





「一件落着だな————————」
「いや、ここから始まったんだよ。俺たちAqoursは———————稜、魁。改めてAqours☆HEROESに入ってくれ。」
「ああ!このグループならこの町の善意以外にも良いところを知れそうだ。是非入らせてくれ、俺の覇道のためにな。」
「じゃあ俺も入らないわけにはいかない。サウザーの野望を—————この町を守り抜くためには、協力したほうが強いな!」


浦の星学院の正門前で笑う3人の《《男子生徒》》。それであって、仮面ライダーであり幼馴染である。

鞠莉と果南も久々に話が校内で盛り上がっているようだ—————————


「よーし、じゃあ2人には浦の星学院男子生徒3号・4号になってもらおうかな!!」
「「え!?」」
「このAqours☆HEROESに入会するときに強制的にここの生徒になることが条件だ!!勿論!鞠莉が生徒の登録をしちまってるから逃げ道はないけどな!!!」
「うわぁ............と思ったけど俺は大卒課程合格してるから大して苦にならないな。」
「俺もそこら辺は大丈夫だな。」
「流石は俺の幼馴染—————————どこぞのバカチカとは大違いだ!!!」
「うるさい!!」


千歌がコミカルな怒りを見せたところで千歌を含めた13人がクスクスと笑い出し————————最後は大笑いする。

ひと段落したところで、ダイヤが話し始める。


「しかし才さん。稜さん。これから果南さんと鞠莉さんを頼みましたわよ?今回でわかったように、2人とも繊細で仲間思いですから。」
「じゃあ!ダイヤさんがいてくれないと!」
「え!?」
「そうだな、2年前もそう。あの2人のことを1番わかっているのはお前なんだから。3人を陰ながら見守ってきた俺が言うんだ、間違いない!」
「わ、私は生徒会長ですわよ!?そんな時間は——————————」
「それなら大丈夫だな。俺や稜、魁、虎太郎たちHEROESは勿論、果南や鞠莉、そして後6人もいるから——————」


そこでルビィが衣装を持ってくる。おそらく、2年前に作られたもの————————それを最愛の姉に手渡す。


「親愛なるお姉ちゃん!ようこそ!———————————





























Aqoursへ!!!」




 
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