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イベリス

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第五十六話 犬も太るのでその十二

「そうなのよ」
「それでそうした先生達も」
「何でかそうした先生って北朝鮮が好きだから」
「あの国共産主義よね」
「何処が共産主義かってなるけれどね」
 世襲の共産主義なぞ有り得ないし、階級を完全に制度化することもだ、北朝鮮はその時点で共産主義ではないのだ。
「そうなっているから」
「そうした先生は共産主義好きなのね」
「あと社会主義よ」
「それで北朝鮮も好きで」
「ナチスやソ連とね」
 こうした国々もというのだ。
「同じなのよ」
「北朝鮮もナチスやソ連と一緒の国だし」
「遥かに酷いけれどね」
「あの、じゃあ北朝鮮の方じゃないの?」
「ナチスやソ連よりも」
「そっちじゃないかしら」
「そうかも知れないわね」
 母も否定しなかった。
「ナチスやソ連よりも」
「北朝鮮ね」
「あの国の収容所は徹底した暴力社会らしいから」 
 看守達によるそれが支配しているのだ、そして北朝鮮の他の場所よりも食料がない。
「だからね」
「そうした先生は北朝鮮と同じね」
「そこにいるのが相応しい人達よ」
「ううん、そう聞いたら」
「近寄ったら駄目ってわかったでしょ」
「ええ」
 咲は母の言葉に頷いた。
「そういうことね」
「そうよ、どんな好きなことをやっている部活でも」
「暴力を受け損だから」
「入ったら駄目よ、間違って入ったら」
「すぐに辞めることね」
「逃げていいから」
 娘にまたこう言った。
「いいわね、モコだって危ないと思ったら逃げるでしょ」
「向かわないでね」
「それが賢いのよ。暴力に我慢しろ立ち向かえなんて言っても」
 それでもというのだ。
「相手がどんな暴力を振るってもお咎めなしならね」
「近寄らないか逃げることね」
「下手したら命を落とすし」
 そして事故として隠蔽されることも有り得る、それを行おうとする学校もまた存在しているのが日本なのだ。
「そうでなくてもトラウマになるわ」
「だからなのね」
「最初から近寄らないことよ」
「そして逃げてもいいのね」
「ええ、中学の時に親に部活に入れ入れって言われて」
「そうした先生が顧問で」
「暴力受けて親に行きたくないと言ったら平手打ちまでされて行かされて」
 そうなってというのだ。
「最後何とか辞めたけれど部活は懲りたってなってね」
「部活入らなくなったの」
「そんな人もいるから」
「暴力を受ける先生には注意ね」
「くれぐれもね、いい鉄は釘にならなくて」
 そしてというのだ。
「いい人は学校の先生にならないのよ」
「そう言うの」
「日本じゃそうよ」
 元々中国の言葉でいい人は兵隊にならないという、かつて中国では兵隊はゴロツキや浮浪者を仕立てるものであったからだ。 
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