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星河の覇皇

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第八十一部第一章 全戦線でその五十七

「艦艇ですとドレッドノートが」
「あの形は今も生きている」
「連合軍の艦艇がそうですね」
「あの国は我々の創造を真似てばかりというが」
 ギルフォード自身ある程度こう思っている。
「しかしだ」
「ドレッドノート級戦艦は」
「実際にだ」
 まさにというのだ。
「今も残っている」
「艦橋を置き」
「そしてだ」
「主砲を連装した砲塔を艦の中央に多く置く」
「そうした艦艇はな」
「ドレッドノート級からだった」
 まさにこの艦艇からはじまったのだ。
「それまでは帆船の名残が残っていた」
「左右に多くの砲を置いていましたね」
 生粋の文官であるカミュもこれ位は知っている、これは軍事知識といっても常識のことであるからだ。
「それまでの艦艇は」
「そうだった」
「あえてこの名を出しますが」
 カミュはここでまた笑って言った。
「ヴィクトリー号も」
「ネルソン提督が乗っていたな」
「はい、あの提督にはしてやられました」
「そこでそれを言うか」
 笑って言うカミュに対してだった、ギルフォードも笑って応えた。彼等にとっては遥か過去の歴史だからだ。歴史もあまりにも過去であるのならそれはもう因縁なぞなく笑って話すことになる場合もあるのだ。
「まさかと思ったが」
「軍艦の話になりましたので」
「それでか」
「はい、ネルソン提督にはです」
 ヴィクトリー号に乗った彼にはというのだ。
「トラファルガー以外にも」
「エジプト沖でもだったな」
「フランスは負けました」
「それを言うと我々もだ」
 ギルフォードは笑ったままこうも言った。
「ジャンヌ=ダルクに敗れた」
「オルレアンの聖女に」
「ナポレオンには勝てたがな」 
 それでもというのだ。
「しかしだ」
「ジャンヌ=ダルクにはですか」
「敗れたからな」
「同じですか」
「そうだ、それで話を戻すが」
 戦艦にというのだ。
「ドレッドノート級からな」
「そうでしたね」
「軍艦が変わった」
「左右に多くの副砲を置くのではなく」
「紂王に砲塔を置いてだ」
 連装のそれをだ。
「左右に効率的に攻撃出来る様になりな」
「そしてでしたね」
「艦橋から艦のコントロールをより出来る様になった」
「軍艦が一変しましたね」
「そうなった、だからだ」 
 それでというのだ。
「イギリスの兵器もな」
「あながちですね」
「悪いことばかりではない、しかし兵器はな」 
 あらためてこちらのことを話した。
「まさに日進月歩だからな」
「エウロパとしてもですね」
「常にですね」
「研究と開発を怠らない」
「そうしていきますね」
「そうだ、軍事費は多くしているが」
 それはというのだ。 
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