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オズのホボ王子

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第九幕その十二

「そちらも好きで火薬は花火にね」
「使っていたの」
「そうした人だったんだ」
「そうだったのね」
「戦争は嫌いで」
 そしてというのです。
「平和と芸術が好きで」
「科学もなのね」
「そうしたことに使うことが好きだったんだ」
「オズの国に相応しい人ね」
「そうだね、繊細でロマンチックでね」
 そうしてというのです。
「それでね」
「今はなのね」
「オズの国におられて」
「お城を築いて」
「その中で住んでいるよ、そして観劇とお食事をね」
「楽しまれているのね」
「音楽とね」
 そうしたものをというのです。
「楽しんでいるよ」
「素敵な人みたいね」
「かなりね」
「やっぱりそうなのね」
「ただね」
「ただ?」
「この王様は女性的で」
 そうした人でというのです。
「どうも女性はね」
「お嫌いかしら」
「紳士的だけれど」
 それでもというのです。
「恋愛の相手にはね」
「見ていないの」
「だから独身なんだ」
 そうだというのです。
「あの人は」
「そうなのね」
「王様は大抵お后様がおられるけれど」
「あの人はおられないのね」
「そうなんだ」
「そうした人なのね」
「むしろ男性が好きだよ」
 その王様はというのです。
「だからね」
「わかったわ、それで女の人とはなのね」
「恋愛はないよ」
「そうした方ね」
「とても男性的な奇麗さのあるお顔でも」
 それを持っていてもというのです。
「お心はね」
「女性的なのね」
「とてもね、そんな人もね」
「オズの国にはおられるのね」
「そのことも覚えておこうね」
「わかったわ」
 王女は確かな声で頷きました。
「そしてその人とお会い出来たら」
「その人もお城もね」
「見ることね」
「とても素敵な人だからね」
 こう王女にお話するのでした、そうしてです。
 皆は水の橋を渡りました、そのうえで先に進むのでした。 
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