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星河の覇皇

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第八十一部第一章 全戦線でその三十二

「徐々にだ」
「暗黒宙域を踏破していきますね」
「そしてだ」
「最後はですね」
「暗黒宙域を踏破し」
「新天地を手に入れますね」
「大航海時代の様にな」
 ギルフォードはまたこの時代の話をした。
「まさにな」
「新大陸にサハラ砂漠以南のアフリカに」
「オセアニアや東南アジアの様なな」
「新天地を手に入れますね」
「暗黒宙域の先には多くの星系が存在している」
 このことはもうわかっているのだ。
「しかもどうやらだ」
「知的生命体は存在していない」
「ならだ」
 それならというのだ。
「我々にとって都合がいい」
「知的生命体が存在していないのなら」
「高度な哺乳類が存在している惑星もあるが」
「文明は築いていませんね」
「ならだ」
「新天地は自由にですね」
「我々の領地に出来る、そして」
「その富をですね」
「手に入れられる」
 ここで言う富とは資源のことだ。
「それを手に入れてだ」
「そしてですね」
「産業も興し」
「そこから生み出される富も」
「我々のものとしてだ」
 そうもしてというのだ。
「そしてだ」
「その富で力を備えていき」
「何時かは連合を凌駕する」
「それが閣下の戦略ですね」
「そもそもだ、暗黒宙域の踏破が不可能なぞな」
 ギルフォードはこの主張を軽蔑を以て述べた。
「どうすれば踏破出来るか」
「そう考えなかった」
「思考停止してだ」
 そしてというのだ。
「終わっていたな」
「愚説でしたか」
「その様な者は卵を立てられない」
「コロンブスの卵ですね」
「実は容易なことだがどうすればいいのか考えられない」
「そうした説ですか」
「何度も言うが不可能と諦めるとだ」
 そうすればというのだ。
「それで終わりだ」
「その時点で」
「諦めたならだ」
 まさにというのだ。
「その時点で終わりだ」
「そこからですね」
「果たして不可能かと考え」 
 そうしてというのだ。
「可能にするにはどうすればいいか」
「そこも考えて」
「実現していくことがだ」
「あるべき姿ですね」
「だからコロンブスは大西洋を踏破出来た」
 西に行けばインドに到達出来ると考えてだ。
「そしてアメリカ対立に到達した」
「実は最初の発見者ではなかったにしろ」
「到達出来た」
 大西洋を横断してだ。
「そしてだ」
「帰っても来られましたね」
「不可能ではなかった、そしてだ」
「我々もですね」
「人類は常にだ」
「不可能にですね」
「対している」
 そう思われることにというのだ。 
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