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星河の覇皇

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第八十一部第一章 全戦線でその十五

「中央政府軍からかなりの工作員が入っています」
「やはりそうか」
「そして民間の人材も雇い」
「そうしてか」
「マウリアに一大工作拠点を築こうとしています」
「連合も馬鹿ではないということだな」
 ギルフォードはエウロパ貴族らしく連合を侮蔑している、しかし連合の力を決して侮ってはいないのだ。
 それでだ、今もこう言うのだ。
「考えている」
「考えるべきことを」
「それでだ、連合もだ」
「マウリアにですね」
「特にマウリアの首都ブラフマー星系にだな」
「かなりの人材を送り」
 そしてというのだ。
「工作機関、諜報網をです」
「築いているな」
「そうしています、各国政府も」
 連合のこちらの政府達もというのだ。
「それぞれですが」
「諜報網をか」
「中央政府と話をして」
「築く国はか」
「築いています、大国は特に」
「そうか」
「はい、ですが」
 それでもとだ、ここでまた言ったモンサルヴァートだった。
「各国政府は各国政府です」
「あの国はそうだな」
「そして、です」
「そのうえでだな」
「各国政府はそれぞれの思惑で動くので」
 それでというのだ。
「我々に対してもです」
「独自にあたってくるか」
「その足並みは乱れています」
 そうした状況だというのだ。
「マウリアにおいても」
「それは変わらないな」
「注意すべきは中央政府とです」
「各国政府のか」
「大国ですが」
 それでもというのだ。
「彼等の歩調を乱せば」
「その分我々が有利になるな」
「そうかと」 
「ならいいな、それではだ」
「はい、連合のそれぞれの政府の足並みも乱しつつ」
「そうして連合の情報収集をな」
 肝心のそれをというのだ。
「していってくれ」
「それでは」
「頼む、しかし思うことは」
 それはというと。
「最近マウリア政府は我々に寄っている」
「そのことは楽ですね」
「非常にな、ならな」
「マウリア政府の協力をですね」
「それは表立ってのものではないにしても」
 それでもというのだ。
「得てだ」
「そうしてですね」
「工作拠点の構築も情報収集もな」
「続けていきますか」
「そしてマウリアから連合にだ」
 その敵国にというのだ。
「やがてはだ」
「人材を直接送り込んで」
「情報を収集する、また連合にいる人間もな」
「抱き込めるならですね」
「抱き込んでだ」
 そうしてというのだ。 
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