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夢幻水滸伝

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第二百四十話 退治し迎え入れその五

「そやさかいな」
「あまり、でしね」
「少な過ぎてもあかん」
「おらん様にするのは論外でし」
「あくまで程々や」
 減らすにしてもそれ位だというのだ。
「ほんまにな」
「そうでしね」
「それでな」
 呉はさらに言った。
「退治した獣やモンスターの肉はな」
「ちゃんと食べるでしね」
「保存もして」
 塩漬けや燻製、干し肉等にするというのだ。他には缶詰もあるし冷凍も可能だ。
「そしてな」
「そうするでしね」
「毒がない限りな」
「食べるべきでしね」
「四本足のものは机や椅子以外食べる」
 巴は微笑んで話した。
「水のものは船以外、空を飛ぶものは飛行機以外」
「二本足は人以外やな」
「そうです、人の話をしますと」
「ちょっと洒落ならんな」
「ですからそのお話はしないということで」
「ああ、兎に角そうしてな」
「あらゆるものを食べるのがです」
 それがというのだ。
「正しい姿です」
「昔から我が国はそやしな」
「毒がないなら」 
 それならというのだ。
「ほんまにです」
「何でも食べるべきやな」
「左様です、退治して終わりではです」
 それならばというのだ。
「非常に勿体ないです」
「食べんとな」
「味のこともありますが」
 具体的に言うと美味しいかそうでないかだ、やはりモンスターや獣によって美味いものもまずいものもあるのだ。
「しかし出来るだけです」
「食べるべきやな」
「それが倒した相手への礼儀でもあるかと」
「命を無駄にせんな」
「左様です」
「その通りでしね、ただ肉食のモンスターはでし」
 郁はここで微妙な顔になって述べた。
「ネコ科系とかはでし」
「あまり、ですね」
「美味しくないでしね」
「そうですね、獣で虎やライオンを食しても」
「豹もでしね」
「あまり、ですね」
「美味しくないでし」
 こう巴に述べた。
「どうにも」
「始皇帝は虎のある部分を好んだといいますが」
 そして毎日口にしていたという。
「あれは滋養でしたし」
「不老不死になる為でしたね」
「あの人はそれを求めていたので」
 このことはあまりにも有名なことである、だから徐福も用いたのだ。
「それで食べていました」
「美味しいものではないでしね」
「決して」
「そうでしね」
「しかも始皇帝は水銀まで口にしてた」
 呉はこのことも話した。
「それでな」
「かえって寿命を縮めました」
「そやったな」
「これは唐の皇帝の多くもでした」
「不老不死の丹薬の筈がな」
「水銀を含んでいたので」
 その為であったのだ。 
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