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星河の覇皇

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第八十一部第一章 全戦線でその五

「新らたにな」
「そうですか、ですが」
「我々もだ」
 モンサルヴァートはあらためて述べた。
「その脅威をな」
「備えますね」
「敵が槍を持てばな」
「我々も槍を持つ」
「軍隊、戦争はそうだな」
「常にお互いが武器を持ち合い」
 そしてとだ、タンホイザーもモンサルヴァートに答えた。
「その武器はです」
「同じものになっていくな」
「多少の違いはあれど」
「だから敵が槍を持てばな」
「我々も持ちますね」
「そうだ、オムダーマンが潜水艦を持ったならばだ」
「連合も持ち」
 タンホイザーは言葉を続けた。
「そのうえで」
「我々もだ」
「そうなりますね」
「そうだ、我々もだ」
「潜水艦を開発、製造し」
「持つ、そしてその潜水艦はな」
 モンサルヴァートはさらに述べた。
「今開発しても連合が開発したとしてだ」
「連合に大いに劣りますね」
「我々の技術力の差を考えるとな」
「残念ですが」
 ローズがまた話した。
「エウロパ戦役でも実証されましたが」
「連合の方がな」
「技術力は遥かに上です」
「そう考えるとだ」
「今はですね」
「開発してもな」
 その潜水艦をというのだ。
「連合のそれに大きく劣る、だが」
「その技術力の差を」
「埋めていく」
「徐々に」
「何十年かけてもな」
「そうしていきますね」
「まずは開発だ」
 何につけてもとだ、モンサルヴァートは話した。
「全てはそこからだ」
「それからのことですね」
「何百年もの技術力の開きがあろうとも」
「それは絶対にものではない」
「だからだ」
 それでと言うのだった。
「常にだ」
「潜水艦についてもですね」
「技術開発をしていきな」
「改善していく」
「そしてだ」
「連合に追いつく」
「やがては連合を超える」
 潜水艦、この兵器でもというのだ。
「そうしていく」
「そうしていきますか」
「開発してもな、だが潜水艦はな」
 この艦艇についてだ、モンサルヴァートは今度は神妙な顔になってだった。自分以外の二人のエウロパ元帥に語った。
「歴史にあるが」
「その開発は困難を究めましたね」
「通常艦艇以上にな」
 こうローズに答えた。
「多大な犠牲も払った」
「そうでしたね」
「海中にいてだ」 
 そしてというのだ。 
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