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星河の覇皇

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第八十部第五章 秘密兵器その七

「そしてだったな」
「はい、激しくでしたね」
「大きな損害を出して」
「そうしてでしたね」
「そのうえで、でしたね」
「だが今は守りに徹している相手にだ」
 そのティムール軍にというのだ。
「とりあえずだ」
「攻めていますが」
「隙を伺い幾分慎重に攻めているので」
「損害は少ないですね」
「これまでの二度の会戦と比べて」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「損害は少ない、しかしな」
「それでもですね」
「油断は出来ないですね」
「今は」
「左様ですね」
「そうだ、閣下の指示に従ってだ」
 アッディーン、彼のというのだ。
「動いていくぞ」
「それではですね」
「我々は今は突撃を控え」
「普通に攻めていきますね」
「そうしていく、勝手な行動はだ」
 この場合最も考えられるのは突貫だ、それはというのだ。
「やってはならない」
「左様ですね」
「では今は自重し」
「そしてですね」
「戦っていくことですね」
「そうだ、このまま戦っていく」
 こう言ってだった、マナーマは今は自身の軍を突撃させなかった。彼の軍以外にもオムダーマン軍の他の軍は。
 攻撃は仕掛けても突撃そして総攻撃はしない、普通に攻めてだった。それで今は機会を伺っていた。その機会は。
 徐々に近付いていた、それでだった。
 アッディーンは戦局を見てだ、部下達に告げた。
「いいな」
「間もなくですね」
「時ですね」
「その時が来ますね」
「仕掛ける時が」
「まさに」
「そうだ、あと少しでだ」
 まさにというのだ。
「その時が来る」
「では」
「間もなく」
「攻撃命令を出されますか」
「そしてだ」
 そのうえでとだ、アッディーンはさらに言った。
「そこからもだ」
「さらにですね」
「攻められますね」
「その攻撃を合図として」
「そうされますね」
「そうする、距離は充分だ」
 攻撃のそれはというのだ。
「両方のな」
「はい、あの艦艇の艦隊にしましても」
「通常艦艇の艦隊にしましても」
「そのどちらもです」
「何時でも攻撃を仕掛けられます」
「彼等に対して」
「それが可能です」
「そうだな、ならばだ」
 アッディーンはさらに言った。 
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