| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十部第四章 万能の天才その五十九

「創造につながる破壊だ」
「シヴァ神からブラフマ―神にそうなる」
「そうした破壊ですね」
「世の中にあるそれは」
「そうなのですね」
「革命は全く新しいものを生み出すという」
 少なくとも起こす方はこう主張する。
「しかしだ」
「その実はですね」
「生み出していない」
「そうですね」
「その実は」
「私はそう見ている、そしてだ」
 ジャバルはさらに言った。
「私は革命ではな」
「例え革命を起こされても」
「そうでもですね」
「血を流させない」
「そうお考えですね」
「これまで話した通りにな、ではだ」 
 ジャバルはさらに話した。
「これからもだ」
「ことを進めていく」
「そうされますね」
「血を流さずに」
「革命を成就されますね」
「革命といっても様々だ」
 それ故にというのだ。
「愚かな革命はしない」
「政権を獲得してですね」
「血を流さない」
「そうしたものですね」
「私は権利を目指しているが」
 その獲得をというのだ。
「しかしだ」
「血は、ですね」
「欲してはおられないですね」
「破壊も」
「そうしたものは」
「アンシャン=レジームを破壊してだ」
 革命の時のフランスがだ。
「得るものはあったか」
「なかったです」
「失うものばかりで」
「そこにあったものというと」
「一からのやりなおしでした」
「多くの人材を失ったが為にな、極端な革命は劇薬でだ」
 それでというのだ。
「己の身体を変えてしまう」
「そうした代物ですね」
「素晴らしきものを得るものではなく」
「逆に失い変質さえしてしまう」
「そうしたものですね」
「豊かなマウリアを貧しくするなぞだ」
 より豊かにするならともかくとしてというのだ。
「それでは本末転倒だ」
「その通りですね」
「では我々は正しい革命を進めていきましょう」
「血が流れない革命を」
 周りの者達も口々に言う、そしてだった。
 ジャバルは最後の酒も飲んだ、そうしてから再び政務に戻ったがマールボロの彼への評価はこの時はまだ知らなかった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧