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星河の覇皇

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第八十部第四章 万能の天才その四十八

「それならです」
「連合にいる時と同じですね」
「まさに」
「そうですね、では」
「いざという時は」
「我々もまた」
 二人で話をした。
「中央政府に対しましょう」
「是非共」
 こうした話をしてだ、その後でだった。
 メインディッシュを食べ終えてだ、最後のデザートとなった。そのデザートはピーチメルバだった。
 桃とアイスクリームのそのスイーツを見てだ、ホーンはトゥシーに言った。
「ローエングリンでしたね」
「ワーグナーの」
「はい、あの作品の新婚の夜をモチーフにした」
 第三幕第一場の場面である。
「そのお菓子ですね」
「そうですね、では」
「そのお菓子を食べつつ」
「よりお話をしていきますか」
「いや、エウロパは嫌いですが」
 それでもとだ、ホーンはトゥシーに笑顔で述べた。
「こうしたお菓子はです」
「いいものですね」
「エウロパも料理や音楽はいいですね」
「憎むべき敵ですが」
「いいものは取り入れていきましょう」
「是非共」
 二人はデザートについてはこうした話をした、そしてこの頃ジャバルもまた食事を摂っていた。その食べているものは。
 トゥシー、ホーンと同じくピーチメルバだった、彼はそのデザートを食べつつそのうえで共に食べている側近達に言った。
「マールボロ議員との会談だが」
「どうでしたか」
「あの方との会談は」
「有益なものだった」
 まさにとだ、彼は側近達に答えた。
「いい勉強になった、私はアウトカースト層の政府の元首でだ」
「そして今はですね」
「マウリアの副主席ですね」
「アウトカースト層の政府がカースト層の政府と統合し」
「そしてですね」
「一つになってですね」
「それになり今に至りだ」
 そうしてというのだ。
「あらゆる政策を行ってきたが軍事はだ」
「それはですね」
「どうにもですね」
「アウトカースト層に軍隊はなかったので」
「副主席もですね」
「知らなかった」
 そうだったというのだ。
「警察は知っていたが」
「警察と軍隊は違いますね」
「近代国家ではそうですね」
「軍隊は軍隊で」
「警察は警察ですね」
「近代国家ではそうなっています」
 警察と軍隊の区分、職務分化も近代国家の特徴であろうか。軍隊から警察が出て来たと言えるだろうがだ。
 警察は軍隊と違う組織になっている、それで今彼等も言うのだ。
「だからですね」
「副主席も軍隊については」
「ご存知ないですね」
「率いられたこともないですね」
「そうだ、だが国家主席になりだ」
 そしてというのだ。 
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