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ハッピークローバー

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第十七話 合コンが終わってその十三

「二人いてな」
「その人達が次男さんと三男さん育てて」
「少なくとも誰からも見捨てられていない」
「それは何よりね」
「社会で生きていられている」
「それはよかったわね」
「本当にな」
 一華にビールを飲みつつ話した。
「幸せになりたいならな」
「そうした人にならないことね」
「もう行方不明だからな」
「誰からも見捨てられて」
「どうしようもない奴でな」
 何をしても更正も反省もしないままでというのだ。
「居場所がどんどんなくなってな」
「それでなのね」
「もうな」
「今は何処にも居場所なくて」
「何処にいるやらだ」
「死んだかも知れないのね」
「ああ、そして死んでいてもな」
 それでもというのだ。
「そうか、でだ」
「終わりね」
「野垂れ死にしていてもだ」
 例えそうでもというのだ。
「もうな」
「当然の結果で」
「そいつを知っている人はな」
「もうそれでいい」
「そんな風だ」
「そんな不幸せなことはないわね」
 一華はここまで聞いてしみじみと思った。
「どう聞いても」
「そうだな」
「ええ、最悪の結末ね」
「そうなりたくないならな」
「そんな人になりたいことね」
「あんまりにも性格と行いが悪いとな」
 それならというのだ。
「そいつがまさにそうでな」
「どうしようもなくなるのね」
「不幸になるんだ」
「ひいては自分が」
「ただ母親は底意地も悪かったが」 
 それでもというのだ。
「そいつはそれはなかった」
「ただ恩知らずで怠け者で尊大なだけね」
「不平不満を言ってな」
「それだけでも最低だけれどね」
「母親はな」
「底意地も悪かったの」
「かなりな、欲も深くてヒステリーもだ」
 これもというのだ。
「酷かった」
「その人生きていけるの?」
 一華はここまで聞いて心から思った。
「それで」
「さっき話した親戚の人が何度も顔がある仏様みたいな人だったからな」
「仏の顔も三度までよね」
「それが何度もだ」
「そんないい人だったからなの」
「生きられたんだ、だがな」
 その輩はそれが出来たがというのだ。
「碌でもない長男はな」
「行方不明になったのね」
「その親戚の人もどうしようもなくてな」
「それでなのね」
「その人だけは見捨てなかったみたいだけれどな」
「じゃあその人を頼ったら」
「周りがそうさせなかったんだ」
 その人がよくともというのだ。
「もうな」
「それでなの」
「今は行方不明だ、碌でもない母親が碌でもない息子を育ててな」
「それで碌でもない結果になったのね」
「ああ、嫌な話だろ」
「かなりね」
 一華はまた口をへの字にさせて述べた。 
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