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ハッピークローバー

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第十七話 合コンが終わってその十二

「大人になってからも」
「それでなの」
「その母親も酷くてな」
「同じ様な人?」
「ああ、恩知らずで不平不満ばかりでな」
「そうだったの」
「自分だけでな、働かないで遊んでばかりだった」
 そうした母親だったというのだ。
「子供のことは親戚に任せてな」
「自分は遊んでいたの」
「年がら年中な」
「育児放棄?」
「そいつは長男で甘やかしてな」
 そうしていてというのだ。
「あと二人息子さんがいたんだが」
「次男さんと三男さんね」
「親戚の人に任せてな」
「自分は遊んでいたの」
「しかもヒス持ちで執念深かった」
「相当やばい人だったの」
「性格はかなり悪かった」
 父は忌々し気に語った。
「自分のことしか考えなくて欲も深くてな」
「その長男さんより酷かったの」
「さらにな、そんなのに育てられたというかだ」
「甘やかされて」
「そしてだ」
 その結果というのだ。
「そいつはそうなった」
「悪い親だったから」
「そういうのに徹底的に甘やかされてな」
「そうなったのね」
「ああ、悪い親は子育てもだ」 
 これもとだ、父は苦い顔で語った。そしておかずの残りでビールを飲みながら一華に対してさらに話した。
「悪いな」
「そうなるのね」
「ああ、それに子供はな」
 言葉を続けた。
「親の背中を見て育つだ」
「悪い親を見てなのね」
「育つからな」
「その人はそうなったのね」
「最低のろくでなしにな」
 それにというのだ。
「なったんだ」
「親が悪かったのね」
「元々酷かったかも知れないが」
「親が悪くて」
「余計にな」
「悪くなったのね」
「悪い親からは悪い子供が育つんだ」
 そうなるというのだ。
「逆もあるけれどな」
「トンビが鷹を産む?」
「その場合もあるけれどな」 
 それでもというのだ。
「そういうことが多いんだ」
「悪い親から悪い子供が育つ」
「そうなることがな」
「そうなのね」
「次男さんと三男さんはまだよかった」
 彼等はというのだ。
「かえってな」
「親戚の人がなのね」
「育てたからな」
 だからだというのだ。
「まだな」
「そうなの」
「その親戚の人達はいい人達だったからな」
 それでというのだ。 
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