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麗しのヴァンパイア

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第四百三十七話

               第四百三十七話  薔薇の朝の後で
 今田先生は今日子先生に朝食の後のお茶を飲みつつ言った。
「今日もお互い予定があるわね」
「そうね、私達はね」
「けれど彼女はどうかしら」
 カーミラはというのだ。
「最近静かだけれど」
「最近は生活を満喫しているらしいわ」
 今日子先生はこう答えた。
「優雅にね」
「貴族的になのね」
「そうよ、彼女は元々貴族ね」
「吸血鬼の中でも由緒ある立場だったわね」
「長い歴史を生きて」
 そうしてというのだ。
「美少女を愛してきた」
「そうだったわね」
「それで家柄もね」
 こちらもというのだ。
「結構なものだったわ」
「ドラキュラ伯爵程でなくても」
「結構なものよ、だからね」
「その人生通りになのね」
「今は優雅にね」
 その様にしてというのだ。
「生活を楽しんでいるわ」
「そうなのね」
「ええ、ただね」
 今日子先生はさらに話した。
「一つ気になることがあるわ」
「何かしら」
「血を飲んでいないわね、やっぱりワインでね」
「そちらを飲むとなのね」
「彼女は吸血鬼としての栄養補給が出来るみたいね」
「そうなのね」
「吸血鬼は実は」
 人間の血を吸って糧とする、だから吸血鬼なのだ。
「血を吸わずともね」
「ワインを飲むとなのね」
「糧になる様ね、他のお酒でもね」
「いいのね」
「そして普通の食べものや飲みものでも」
 そうしたものを口にしてもというのだ。
「いいみたいね」
「そうなのね」
「そこはね」
 今田先生にさらに話した。
「私達にとってもいいことね」
「ええ、彼女が人を襲わない限り彼女と戦う必要もないから」
「落ち着いてね」
「私達のお仕事に専念出来るわね」 
 今日子先生ににこりと笑って応えた、そうして紅茶を飲むのだった。そこでその紅茶の色見るのだった。


第四百三十七話   完


                  2022・1・16 
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