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ハッピークローバー

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第十六話 飲みながら賑やかにその十三

「俺も肩貸す位だし」
「楽だよな」
「そうなるよ」 
 実際にというのだ。
「かな恵がそうだったら」
「だったら」
 かな恵は酔い切った顔で言った。
「これで止めるね、お酒」
「そうするんだ」
「成海っちに迷惑かけることは」
 このことはというのだ。
「私だってしないし」
「そうそう、かな恵はそうした考えが出来るから」
 一華はかな恵を指差して話した。
「いいのよ」
「そうなの」
「気遣いが出来るから」 
 だからだというのだ。
「いいのよ」
「そうなのね」
「だからね」
 それでというのだ。
「これからもね」
「そうであるべきね」
「やっぱりね、お酒飲んでも」
 それでもというのだ。
「気をつけていってね」
「そうするね」
「あとあんた幸せでしょ」
 一華はかな恵に問うた。
「そうでしょ」
「うん、そう思ってるわ」 
 かな恵はその通りだと笑顔で話した。
「一華ちゃん達がいて家族がいて美味しいもの飲んで食べられてね」
「成海っちもいて」
「幸せよ」
「そうよね」
「若し誰もいなくて何もなかったら」
 それならというのだ。
「もうね」
「不幸よね」
「私一人ぼっちって無理だから」
 それでというのだ。
「本当にね」
「不幸なのね」
「そうだったら。お酒も食べものもないと」 
 何もないことについてさらに話した。
「本当にね」
「不幸よね」
「それで何も言えなかったら」
 その場合のことも話した。
「尚更ね」
「だから北朝鮮に産まれたらっていうのね」
「もうね」
 それこそというのだ。
「不幸の極みよ」
「そうよね」
「幸せってね」 
 かな恵は今飲んでいる酒を飲み干した、そしてその酒が入っている杯を置いてそのうえで一華に話した。
「ささやかで傍にね」
「あるのね」
「ほら、青い鳥だってね」
 この童話もというのだ。
「色々探してもなくて」
「お家にあったのよね」
「すぐそこにね、それで案外ね」
「案外?」
「ささやかなもので」
 それでというのだ。
「満足出来るものだと思うわ」
「友達いて家族がいて」
「飲んで食べられて」
「彼氏がいたら」
「別に大金持ちになって権力も持って」 
 そうしてというのだ。 
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