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ハッピークローバー

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第十六話 飲みながら賑やかにその六

「どんな強いチームでも弱くなるよな」
「そうそう、ヤクルトなんかな」 
 古田がそれならと言ってきた、セリーグの東京の神宮球場を本拠地とするチームであり九十年代が黄金時代だった。
「怪我していないと」
「強いな」
「あそこ怪我人よく出るけれどな」
「それが出ないとどうだ」
「強いな」
「そうだ、実は各チームの戦力は大差ない」
「阪神やソフトバンクでもか」
 俗に超巨大戦力と呼ばれるチームでもというのだ。
「実はか」
「同じプロだ、ちょっとしたことでだ」 
 越智は古田にも話した。
「戦力が変わる」
「そうなんだな」
「これは元々の戦力が変わらない」
「だからか」
「それでちょっとしたことでだ」
「どのチームも強くなるんだな」
「巨人は別だがな」
 このかつて球界を壟断した邪悪を実体化させた様な忌まわしいチームはというのだ、悪の瘴気さえ出していると言われている。
「もうあのチームはだ」
「別なんだな」
「もうまともな選手がおらず」
 そうしてというのだ。
「監督、コーチにフロントもな」
「全部かか」
「駄目過ぎてな」
 それでというのだ。
「あの様だ」
「万年最下位か」
「そうだ」
 そうなっているというのだ。
「あのチームはな」
「また別か」
「しかし他のチームはな」
 巨人以外のチームはというのだ。
「そうなっている」
「だから怪我人が少ないとか」
「ヤクルトも強い」
「そうなるんだな」
「それだけ怪我は怖いということだ」
「そうなんだな」
「スポーツ選手は尚更だが」 
 越智はさらに話した。
「俺達も同じだ、学生もサラリーマンの人もな」
「怪我しないことだね」
「そうだ、怪我と病気がない」
 越智は伊東にも話した。
「これが一番だ」
「戦力になるんだ」
「ガラスのエースより鉄人だ」
「平松さんより衣笠さん?」
「実は平松さんは然程故障していないがな」
 カミソリシュートで有名なピッチャーだった、尚二百勝挙げても現役時代リーグ優勝の経験はなかった。
「しかしな」
「ガラスよりだね」
「やはり鉄人の方がいい」
「怪我しない人の方が」
「そうだ、怪我は本当に怖い」
「仕事でも」
「病気でもな」 
 こちらもというのだ。
「病気がちだと困るな」
「何かとね」
「つまり無病息災はな」
 このことはというのだ。
「それだけで戦力になる」
「そうなるんだね」
「だからまずは怪我をしないことでな」
「成海君もだね」
「気をつけるべきだ」
「自分からだね」
「だから油断はするな」 
 越智はまた成海に告げた、彼に顔を向けて。 
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