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ハッピークローバー

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第十六話 飲みながら賑やかにその五

「駄目よ」
「そういうことね」
「そうよ、だから今もね」
「程々ね」
「もう相当飲んでるけれどね」
 それでもというのだ。
「まあこれ位?それかあと少し」
「それで止めるべきなの」
「ええ、酒乱じゃないけれど」
 それでもというのだ。
「気をつけてね」
「そうしないと駄目なの」
「私からも言うわ」
「ああ、俺慣れてるから」
 ここで言ったのは成海だった。
「いいよ」
「いいの?」
 富美子はその成海に問い返した。
「それで」
「別に。それにラグビーやってるから」
「力あるから」
「それに肩に担いだりおぶるにしても」
 どうしてもというのだ。
「それでもね」
「いいの」
「そう、大丈夫だから」
「おい、慢心するなよ」 
 越智はコーラサワーを飲みつつ成海に真顔で忠告した。
「それで腰いわすとかな」
「あるか」
「腰注意しろよ」
 こう言うのだった。
「膝もだけれどな」
「そうしたところか」
「腰や膝はいわすからな」
「油断したらか」
「迂闊に無理したらな」
 そうしたらというのだ。
「簡単になるからな」
「ラグビーでも言われてるよ」
「俺も言うぞ、慣れてるって言ってもな」
「それでもか」
「いわすからな」
 油断すればというのだ。
「だから大丈夫だって慢心はな」
「したら駄目か」
「親戚の兄さんスーパーの正社員だけれどな」
「スーパーって重いものも持つよな」
「しょっちゅうな、だからな」
 それでというのだ。
「そうは思うな」
「慣れてるとかか」
「経験者でも怪我するんだ」
「そうなるんだな」
「そう言っていた、腰をだ」
 身体のこの部分をというのだ。
「壊すらしい」
「ぎっくり腰か」
「それになるらしいからな」
「重いものを持つ時はか」
「注意しろと言っていてな」
「俺もか」
「そうだ、怪我をするとな」
 そうなると、というのだ。
「後悔してもな」
「先に立たないか」
「怪我は自分持ちだ」
 越智はこうも言った。
「そしていいスポーツ選手は何か」
「今の話の流れだと怪我しないか」
「そうだ、ずっと安定して活躍出来たらだ」
 怪我をせずにというのだ。
「一番だな」
「そうだよな」
 成海もその通りだと頷いた。
「野球でもサッカーでもな」
「怪我をしない選手が一番いいな」
「怪我人が多いとな」
 それならとだ、成海は言った。 
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