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ドリトル先生とめでたい幽霊

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第八幕その十一

「今もやで」
「!?」 
 擦れ違った誰かが言いました、そして。
 振り返るとマントを羽織ったボルサリーノに似た帽子を被った人の後ろ姿が見えました、その人はです。
 軽い足取りで歩いていきます、先生はその人を見て言いました。
「あの人は」
「あっ、確かに」
「あの人だよ」
「僕達が前に擦れ違ったのは」
「あの人だったよ」
「ハイハイタウンでね」
 動物の皆もその人を見て言います。
「また見たね」
「ここにもいるんだ、あの人」
「ああして大阪を巡ってるのかな」
「そうしているのかな」
「難波にもいたしね」
 王子も言います。
「あの人は」
「王子も見たよね」
「難波でね」
「まさにあの人だよね」
「帽子にマントで着流しの」
「その人だね」
「うん、あの人だよ」
 実際にとです、王子は皆に答えました。
「間違いないよ」
「そうだよね」
「上本町にいて難波にもいて」
「京橋にもいるんだね」
「大阪を巡ってるのかな」
 先生はもう見えなくなったその人がいたところを振るお帰ったまま言いました。
「あの人は」
「そうかも知れないね」
「それで楽しんでいるのかもね」
「この大阪を」
「そうかも知れないね」
「そうだね、そうだとしたら」 
 笑顔で言う先生でした。
「大阪をかなり楽しんでいてね」
「好きなんだね、大阪」
「あの人は」
「そうなんだね」
「そうだと思うよ、織田作さんと同じでね」
 この人と、というのです。
「そうだと思うよ」
「そうなんだね」
「織田作さんと同じで」
「あの人も大阪が好きなんだ」
「それで大阪を巡って」
「それで楽しんでいるんだね」
「そうだと思うよ」
 こうお話してです、先生は京橋もフィールドワークしました。そしてこうも言いました。
「織田作さんの論文を書いているけれど」
「その他にもだよね」
「大阪のあちこち巡ってるから」
「それじゃあね」
「大阪の他のことも学べるね」
「そうだね」
「そう、だからね」 
 それでというのです。
「実は今大阪の他のことでも論文を書いているよ」
「そこ先生らしいね」
「まさに生粋の学者さんでね」
「論文も物凄く書いてるね」
「そうしているわね」
「三週間に一回は発表しているからね」 
 あらゆる分野の学問についてです。
「専門の医学だけじゃなくてね」
「文学も言語学もでね」
「歴史学も社会学も」
「そして獣医学も薬学もで」
「工学だってね」
「この前地質学の論文も書いたけれど」
 そちらの学問もというのです。
「兎に角色々な分野の学問を書いているから」
「それでだね」
「色々な論文を書いていて」
「今は織田作さんの論文を書いていて」
「大阪の他のことも書いているんだ」
「そうなんだ、それで京橋も巡ったけれど」
 それでもというのです。
「いいフィールドワークになっているよ」
「それは何よりだね」
「先生にとってね」
「僕達も一緒にいられて嬉しいけれど」
「本当にね」
「全くだよ、それでね」 
 さらに言う先生でした。 
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