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実はおっさんだった

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第二章

 パソコンの前でだ、電源を落としてから言った。
「これでよし」
「終わったの?今日も」
「ああ」 
 武藤は部屋に入ってきた妻に答えた。
「配信がな」
「そうなのね」
「今日も視聴者多くて投げ銭もあったよ」
「それは何よりね」
「楽しかったよ、それにね」
「収入にもなってるわね」
「今じゃ仕事よりもだよ」
 夫は妻に話した。
「サラリーマンのね」
「それよりもずっとよね」
「収入になってるよ」
「お陰でお家や車のローンも心配ないわね」
「僕達の老後もね」
「あの娘達の学費もね」
「心配いらないよ」
 妻に笑顔で話した。
「それだけの貯金が出来たよ」
「何よりよね」
「うん、それにね」
「それに?」
「旅行にも行けるかな」
 それだけのお金が貯まったというのだ。
「これは」
「駄目よ、節約しないとね」
「ああ、それだね」
「お金は幾らあってもよ」
「なくなるね」
「ちょっと油断したら」
 そろそろ皺が気になりだしている妻は夫に言った。
「お金なんてね」
「すぐになくなるね」
「だからね」
「旅行はだね」
「しないで出来るだけ節約してね」
 そうしてというのだ。
「やっていきましょう」
「そうだね、それはね」
「気をつけてね」
「お金貯めていきましょう」
「ブイチューバーとしてもだね」
「そうしていきましょう」
 こう夫に言うのだった、夫も妻の言葉に従いここは貯金することにした。
 夫婦でこうした会話をしていたが高梨達はそんな会話を知る筈がなく次の日もキャンバスの中で彼女のことを話していた。
「白百合ちゃん昨日も最高だったな」
「そうだったよな」
「可愛かったな」
「あんな美少女いないよな」
「他にはな」
「本当に宇宙一だよ」
「宇宙一の可愛さだよ」
 こうしたことを言っていた、そしてこの日の配信も心待ちにするのだった。真実についてふと思うことすらなく。


実はおっさんだった   完


                  2022・2・19 
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