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ドリトル先生とめでたい幽霊

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第四幕その六

「先生は今織田作之助さんについての論文を書かれていますね」
「はい」
 先生は素直に答えました。
「それで大阪にもよく行っています」
「あの人の街に」
「そうしています」
「でしたら」
 日笠さんはここまで聞いて言いました。
「夫婦善哉も行かれていますね」
「行ってきました」
 先生はこの時も素直に答えました。
「いい場所ですね」
「そうですね、ではです」
「ではといいますと」
「私も行きたいですね」
 日笠さんは先生を見て言うのでした。
「今度」
「いいお店ですよね」
「本当にそうですよね」
「法善寺自体が趣があるので」
 それでというのです。
「ですから行かれて下さい」
「そうしていいですね」
「ええ、今度大阪に行かれたら」 
 にこにことして言う先生でした。
「そうされて下さい」
「そうですか」
 日笠さんは先生のそのお言葉にです。
 がっくりとなってそれで言いました。
「それでは」
「その様にですね」
「します」 
 声もがっくりとなっています。
「そうします」
「あとです」
 先生は気付かないままさらにお話しました。
「カレーの自由軒にも」
「そちらにもですか」
「行かれて下さい」
「そうします」
 がっくりとしたまま応えました。
「それでは」
「是非です。大阪はいい街ですよね」
「そうは思いますが一人で行くよりも」
 まだ言う日笠さんでした。
「二人で行く方が」
「皆で行きますと」
 動物の皆を見て言いました。
「それならです」
「余計にですか」
「楽しいので」
 そうした街でというのです。
「どなたか誘われて」
「行くといいですか」
「そうされて下さい」
「それでは今度先生と」
「僕とですか」
「宜しいでしょうか」
「はい、僕でよければ」
 先生は気付かないまま応えました。
「ご一緒させて頂きます」
「それでは」
 日笠さんは笑顔で応えました、ですが。
 ここで急に日笠さんの携帯が鳴りました、それに出てお話をしてでした。日笠さんはがっかりとなって先生にお話しました。
「あの、急にです」
「どうされました?」
「動物園にバーバリーライオンが入ることになりました」
「あのライオンがですか」
「日本に何頭か入ることが決まって」
 そしてというのです。
「そうしてです」
「この学園の動物園にもですね」
「つがいが入ることが決まりました」
「それは素晴らしいことです」
 先生も目を輝かせて言いました。 
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