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ハッピークローバー

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第十一話 合コンその十一

「私だって」
「だからだよ」
「その人を好きなら」
「相手もな」
「好きになってくれるのね」
「そうだよ、ただ片思いはな」
「あるわね」
「相手がその人が自分を好きだって気付かないとな」
「片思いね」
「けれどそれがわかったら」
 相手の自分への気持ちがというのだ。
「そうなったらな」
「相手の人もなのね」
「好きになるさ」
「そうなるのね」
「それで片思いからな」
「相思相愛ね」
「それになるんだよ」
 こう妹に話した。
「だから告白するにしても」
「相手が好きになってからでもなの」
「いいのかもな」
「そうしたものなの」
「競争相手がいないなら」
 それならというのだ。
「焦らずな」
「相手も自分を好きになってくれたら」
「それでいいかもな」
「そうなのね」
「失恋も痛いしな、いるだろうちの学校に」
 雅之は妹にこうも言った。
「酷い失恋した人」
「遠井さん?有名ね」
「あの人振られてな」
「酷い目に遭ったのよね」
「今はいい人と交際してるけれどな」
「酷い振られ方してけしかけたその時の友達に裏切られたのよね」
「その友達だった連中陸上部にいるだろ」
 雅之は忌々し気に言った。
「普通科の」
「裏切ったことが知れ渡って学校中の嫌われ者になってるのよね」
「それで振った奴もな」
「物凄く酷いことしたのよね」
「それでな」
 その為にというのだ。
「相手もな、恋愛ってのは怖いんだよ」
「そうしたこともあるから」
「好きになる相手もよく見てな」
「どんな人か。そして自分を好きか」
「そういうことも見てな、あと屑は友達に持つな」
「平気で裏切る様な奴は」
「そんな奴は友達になれないんだよ」
 絶対にという言葉だった。
「相手は自分が都合悪くなったらすぐに切り捨てるからな」
「そんな奴友達じゃないわね」
「そうだよ、友達はな」
「そんなことしないわね」
「最初からな」
「つまりあの連中は最初から友達じゃなかったのね」
「そうだ、友達の顔をしているだけだったんだよ」
「ごっこ?」 
 留奈はここでこう言った。
「つまりは」
「友達ごっこだな」
「それだったの?」
「そうだろうな」
 雅之も否定せずに答えた。
「あいつ等はどう思ってるかわからないが」
「友達ごっこをしてたのね」
「それでそれが皆にわかったからな」
「皆から嫌われてるのね」
「二人共学校で有名な嫌われ者だが」
 そうなっているがというのだ。 
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