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ドリトル先生とめでたい幽霊

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第三幕その三

「こうしてだよ」
「銅像もあるんだ」
「そうなのね」
「ただ作品が残って通っていたお店が残っているだけでなく」
「こうしたものもあるんだ」
「しかしね」 
 ここで言ったのはホワイティでした。
「随分独特なお洒落だね」
「着流しの上にマントとかいいね」
「そうよね」
 チープサイドの家族も言います。
「そこに帽子なんて」
「ちょっとない服装でね」
「和服の上にマントなんてね」
 ジップも唸っています。
「そこに帽子って」
「これって当時の日本のファッションよね」
 ガブガブも言いました。
「着物にパラソルなんてのものあったわね」
「戦争までのファッションね」
 ポリネシアもそのファッションを見ています。
「これはこれでいいわね」
「これで街歩いたら」
 どうかとです、チーチーは言いました。
「かなり粋だね」
「今このファッションで出てもいいと思うよ」
 老馬もこう言います。
「かなりお洒落だよ」
「マントに帽子、着流しなんて」
 ダブダブも見事という感じです。
「ちょっとやそっとじゃないね」
「織田作之助さんって粋でもあったのかな」
 こう言ったのはトートーです。
「やっぱり」
「いやあ、いい具合の粋だね」
「これは凄いよ」
 オシツオサレツも二つの頭で言います。
「何かこうね」
「戦争前までのファッションのよさを感じるよ」
「うん、僕も見て思うよ」
 先生にしてもでした。
「織田作之助さんは街、つまり都会で生まれ育ったって一面もあるんだ」
「大阪人ってだけでなくて」
「都会人でもあるんだね」
「当時都会は流行の最先端だったね」
「そうだったね」
「モダンとかモカは戦後だったけれどね」
 この言葉も出しました。
「ロカビリーとかね、けれど戦前の日本もね」
「お洒落だったんだね」
「それで織田作之助さんもそうで」
「都会人のお洒落を身に着けていたんだ」
「そうだったんだ」
「大阪の庶民性と人情にね」
 そういったものに加えてというのです。
「都会人の粋さもね」
「備えていたんだ」
「それでこのファッションだね」
「粋で恰好いい」
「そうした人でもあったんだ」
「それで着流しの写真も残っていて」
 そしてというのです。
「洋服も着ていたよ、バーで飲んだ時の写真も」
「粋だったんだ」
「その時の写真を見ても」
「そんな人だったのね」
「そうだよ、お顔はこんな風でね」
 銅像のそちらも見ます、面長で目は小さいです。
「こうした服装だったんだ」
「結構もてる感じね」
「このファッションも相まって」
「それでね」
「そうだね、しかし着流しにマントに帽子なんて」
 また言う先生でした。 
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