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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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第52話

 
前書き
ドラゴンボール超は漫画版をベースにしつつ、アニメの要素を取り入れた感じですので。

超サイヤ人2があれだけの潜在パワーを宿してたんだから上位変身の超サイヤ人3にも相応の潜在パワーがあっても良い気がするんだよな…。

ゴテンクスの5分は短いと言っている人がいるけどブウ編より遥かに強いGT悟空が体が小さくなったせいですぐに戻ったことを考えれば小さな体で5分は滅茶苦茶規格外なのが分かる。

後、悟飯のことですけど、私はどっちの悟飯も好きですよ?

ただ、超の悟飯って敵次第では本当に2人を殺されてしまう未来しか見えないんですよね、原作の超ももし、ブラックが悟飯も殺そうとしていたら2人を守れていたか怪しい。

本当に超の悟飯ってギリギリだったんだなと思いました。 

 
西の都にあるカプセルコーポレーションの庭で、悟空とベジータが組み手を、ビルスとウイスは食事、トランクスが悟林に勉強を教わっていた。

トランクスの後ろにはトランクスが拾った子供に退行したピラフ一味の姿もある。

何故ピラフ一味がいるのかと言うと腹を空かせて倒れているところをトランクスが発見し、可哀想だから拾ったと言うエピソードがあるのだが、捨て犬感覚で人を拾うのはどうかと思うが、恐竜を拾うブリーフ博士の孫と言うことを考えれば納得も出来たりする。

「ありがとうね、悟林ちゃん。トランクスは悟林ちゃんが相手だと本当に素直なのよね~」

「ちょ、ちょっとママ…!」

「別にこれくらいは構わないよ。トランクス君、もうちょっと頑張ろうね」

ブルマがからかうように言うとトランクスは焦るが、悟林は気にせず勉強を教える。

「それじゃあ、今日はカシコイ大学の問題だよ」

「えー!?それちょっと難し過ぎるよ悟林さん!」

「大丈夫大丈夫、分かりやすいように説明するから…今回は“並行世界”について説明するね」

「並行世界?」

疑問の表情を浮かべているトランクスに悟林はベジータ、ブルマ、ヤムチャのデフォルメされた絵をボードに貼る。

「トランクス君は昔、ブルマさんとヤムチャさんがお付き合いしてたのは知ってるよね?」

「うん」

「ある時、ヤムチャさんがブルマさんにフラれてベジータさんとブルマさんが結婚してトランクス君が生まれたんだけど、そこで2人の結婚を良しとはしなかった人が過去に行きます。そしてその人がヤムチャさんとブルマさんを進展させました。そして2人は結婚します。でも、トランクス君はサイヤ人と地球人の混血。名前は同じでも全く違う人間が生まれてしまうの。そしてヤムチャさんとブルマさんを進展させた人が元の時代に戻るとベジータさんとブルマさんとトランクス君は親子のまま。つまりベジータさんとブルマさん、ヤムチャさんとブルマさんが結婚した歴史が出来上がる。このようにちょっとした干渉でトランクス君が普通の地球人、サイヤ人と地球人の混血になる歴史が誕生するわけ、これが並行世界」

「ちょーっと、悟林ちゃん?私を題材にしないでくれる?」

「ブルマさんがヤムチャさんとお付き合いしてたのはみーんな、知ってるんだからこれくらいは良いでしょ」

ブルマの抗議を一蹴すると悟空が声を上げた。

「おーい、悟林!飯だってよー!」

「はーい!それじゃあトランクス君もご飯にしようか!」

「うん!」

悟林とトランクスが一緒に悟空とベジータ達のいるテーブルに向かっていく。

「(そう言えば未来のトランクスは悟林ちゃんの弟子だったのよね…あの子とは出会い方は違うでしょうけど、仲良くなれて良かったわ。私は息子の青春を暖かーい目で見守ってあげましょ)」

ブルマがニヤニヤと笑いながら悟林とトランクスを見つめる。

「おい、ベジータ。ブルマが変な顔をしているぞ」

「ビルス様…ブルマはいつもあんな感じだから気にしないでくれ…」

ビルスがラーメンを啜りながらニヤニヤしているブルマを不気味そうに見ている。

ベジータも恥ずかしそうにしながらラーメンを啜る。

「美味えなこのラーメン!」

「そうだねお父さん。そう言えば、この前トランクス君と修行したんだけどトランクス君、大分腕を上げたんだよ」

「へえ、そうなんか?」

「うん、相方の悟天も超サイヤ人2になれるようになったからフュージョンした時のパワーも大幅に上がってたよ」

「ふん、フュージョンか…俺から言わせればあんな物は一発芸に過ぎん」

1人で闘うことを信条とするサイヤ人からすれば合体する技であるフュージョンはポーズ抜きにしても相当に不本意な技なのだろう。

「フュージョンね、確か界王神共の耳飾りでも合体出来たんじゃなかったんだっけ?弱っちい界王神でも合体すればそこそこ強くなる奴」

「ええ、そうなんか!?」

ビルスの言葉に驚く悟空。

ただのアクセサリーかと思えば結構とんでもない代物だったようだ。

「ですが、ポタラによる合体は界王神様が使えば一生元に戻れないんですよね」

「ああ、老いぼれ界王神が魔女の婆さんと合体した時は笑った笑った」

「私達も使えるのかな?」

「勿論です。左右対称となるようにそれぞれが片方の耳にポタラを付ければ合体出来ます…界王神様以外は1時間だけですが」

「へえ、フュージョンの倍か!凄えな!」

「ふん、俺はどっちもごめんだがな」

ポタラもフュージョンもベジータにとっては気に入らないのは変わらないようだ。

「あ、でもさ、最近超サイヤ人3の時間が少しだけ伸びたんだよ」

「フュージョン中のか?」

超サイヤ人3は金色の頭髪の超サイヤ人の中でも突出した戦闘力を誇るものの燃費が非常に悪いのは悟空も悟林から聞いている。

その変身難易度はなる必要が無いとは言え、超サイヤ人3を遥かに超越する超サイヤ人ゴッドとブルーの変身が出来る悟空とベジータでさえ変身出来ない。

変身するには時間の概念がなく、気の消費に融通が利くあの世にいるか、現世ではゴテンクスのように基本戦闘力が高い合体戦士くらいだろう。

それだけ消耗が激しい超サイヤ人3の時間が伸びたのは流石の悟空も純粋に驚く。

「多分、トランクス君と悟天が少し大きくなったからだね…年齢の割に小さい気がするけど体が大きくなった分、超サイヤ人3のパワーが保つようになったんだよ。」

「ねえ、悟林さん。超サイヤ人3をパワーアップ出来ないのかな?」

「超サイヤ人3を?」

「うん、パパの超サイヤ人2みたいにさ」

ベジータの超サイヤ人2のように潜在能力を解放した悟飯以上の力を発揮出来たように超サイヤ人3にも相応の潜在パワーが眠っているのではないかとトランクスは思ったのだ。

しかし、現状で超サイヤ人3をまともに使いこなせるのはゴテンクスくらいしかいない。

「うーん、出来なくはないと思うよ。ベジータさんがブルマさんへの愛でパワーアップしたようにさ」

「おい!」

「おー、愛かー」

「そう言えばパワーアップした時に言ってたよねー。“俺のブルマをー”って」

「ふふ、ちゃんとその時のことは保存しておきましたよ」

『俺のブルマをーーーっ!!』

杖の水晶に当時の映像が残されており、繰り返しで何度も再生するウイス。

「止めろおおおおおっ!!」

「ブルマさんってば愛されてるねー。もしかしたら近いうちにトランクス君に弟か妹が出来るかもよ?」

「うーん、だったら俺弟が良いなー」

何度も再生するウイスをベジータが追い掛ける。

この仲の良さならいずれトランクスに弟か妹が出来るのではないかと悟林は思う。

「それにしても君達は本当に気をコントロールしながら闘うのが好きだよね。特に悟空、面倒臭くないの?」

「うーん、昔からやってきたから癖みてえになってんだよなぁ…気って言えばそう言や、全王様っつーのは全く強い気を感じなかったぞ」

「そうだよねぇ、こう言っちゃあれだけど何であんな子供みたいな神様に怖がってたの?もしかして気が感じられないだけで強いの?」

第7宇宙の界王神なら違和感はないが、桁外れの強さを誇るビルスとシャンパが恐れるのはどういうことだろう。

「戦闘力でしか相手を見れないサイヤ人らしい発言だな。全王様は全宇宙で一番に偉いお方だ。誰にも倒すことが出来ず、その気になれば全てを消滅させる。世界も含めてな…僕の破壊なんて全王様の消滅に比べれば可愛いもんだ。全王様が闘わないのは闘い以前の話だからだ。どんな相手でも闘う前に存在ごと消されたら意味がない」

「そ、そうなんか…」

「前に宇宙は12個あるって言ったことがあったろ?以前は18個あったんだが、6つの宇宙が全王様の機嫌を損ねて消滅させられた。あの時の衝撃と恐怖は忘れられない。いくら強くても全王様の前では無意味だと思い知らされたからな」

「ス、スケールがでかすぎて何が何だか…」

神の領域に踏み込んでいないトランクスからすればあまりのスケールのでかさに頭が痛くなりそうになる。

「みんながあの時のお前と全王様のやりとりにハラハラしていた理由が分かったろ。とにかく、無いとは思うがもし全王様に会ったら絶対に機嫌を損ねないようにしろよ…それにしても美味いなこれ、何味だ?」

「味噌バター味、この餃子は醤油に付けて食べると美味しいよ。辛いのが大丈夫ならラー油を醤油に混ぜても良いよ」

「どれどれ……美味いじゃないか!」

悟林がラーメンの味を教え、更に出来上がった餃子の食べ方を教えると早速食べてみる。

「どれどれ、私も食べてみましょう」

「く、くそったれぇ…!」

ベジータをからかい尽くしたウイスも餃子の攻略にかかる。

すっかり疲弊しているベジータに悟林は自分の分の餃子をベジータにやった。

「(やり過ぎたかなぁ)」

自分の発言が原因なので反省しなければ、でも昔は残酷な宇宙人であったベジータがここまでの愛妻家になるとは思いもしなかった。

ここまでの愛妻家になるための切っ掛けになったのはここにいない未来のトランクスだろう。

「(未来のトランクスさん、元気かなぁ?未来の悟飯はちゃんとパパやれてるかな…)」

食事と休憩が終わると悟空がウイスに修行をつけてもらい、その次は悟林とベジータの組み手である。

「そう言えば、前にウイスさんが言っていた体が勝手に判断して動くようにって言ってたけど、結局それってどういうことなの?」

こっそりとビルスへの手土産のフルーツゼリーを渡しながら尋ねるとビルスも上機嫌になって教えてくれた。

「そいつはウイス達天使共が扱う技…極意でな。体が勝手に動き、あらゆる攻撃を防ぎ、そして的確に攻撃を当てる。相手の強さに応じて肉体も勝手に強化されるんだ。その技を“身勝手の極意”と言う」

「「身勝手の…極意…」」

「ただ、それはとてつもなく面倒でな。心を穏やかになんて僕達破壊神が大人しく使えると思うか?」

「ウイスさんもビルス様もまだまだ全然駄目駄目だってこっそりと言ってたね」

「ほーう」

ギロリとウイスを睨むビルス。

会話が聞こえていたのか、ウイスは口笛を吹きながら悟空の相手をしている。

「じゃあ、私もベジータさんも結構厳しいんじゃない?」

「何!?」

「そうだな、僕から見ても特にベジータは頭で考える云々以前に激情家だ。怒りや憎しみを感じやすい性質を持っているから常に心を穏やかにする身勝手の極意は向かないだろう」

「ぐっ…」

ビルスからも身勝手の極意には向かないと断言されてしまったベジータは悔しそうに歯軋りする。

「あー、でもビルス様達、破壊神様も凄い技を使ってるんでしょ?」

「当然だ、場合によって天使共の極意より強力だぞ。僕は仕事の時は破壊のことしか考えない。だからこそ力に限界がない…お前は寧ろ破壊神向きだ」

「ど、どういう技なんだビルス様!?その破壊神の技とやらは!」

ウイスの教える身勝手の極意が自分に向かないのなら別の力を望むベジータ。

「教えないよ、僕は弟子とか取らないし、教えるとかそういう面倒なことはしない……欲しいのなら、誰にも負けたくないってんなら僕から勝手に盗んで見せろ!」

「っ!分かった…」

「(天使の技と破壊神の技ね)」

自分には天使の技も破壊神の技も向いてなさそうだし、自分は自分のやり方で強くなろう。

その2つの技を追い抜く勢いで強くなってやる。

そのためには界王拳の改良と倍率の向上を急がねばならないだろう。

それと何となくだが、ベジータとビルスの関係にほんの少しだけ変化が起きたような気がする。

「悟林さん、パパはビルス様に弟子入りしたってことなの?」

「さあ、でも以前より距離が近付いたのは確かだね」

「ふうん…パパがビルス様みたいになったらどれだけ強くなるんだろ?」

「そこはベジータさんの努力次第だよ。トランクス君達の超サイヤ人3のパワーアップのようにね。フュージョンしていたとは言え私が苦労して変身出来た超サイヤ人3に変身した2人の才能は本物だよ。頑張ってねトランクス君」

「う、うん!」

悟空とウイスの組み手が終わり、次は悟林とベジータの組み手となる。

「悟林、界王拳のフルパワーで来い」

「良いの?下手したら死ぬよ?」

「構わん、サイヤ人は相手が強ければ強いほどに進化する種族だからな」

自分よりも強い相手と闘い、悟空や悟林とは違う進化を模索しようと言うのだろう。

「分かった。死なないでねベジータさん」

「ふん、生意気言いやがって」

互いに笑みを浮かべて悟林が界王拳を発動しようとした時だった。

見覚えのある機体がカプセルコーポレーションの庭に出現したのは。

「あれは!?」

急いで機体…タイムマシンに向かい、ガラスの汚れを落とすと見覚えのある2人が乗っていたのであった。

「悟林さん?」

「悟飯!トランクスさん!」

「え?」

悟林を追い掛けてきたトランクスが不思議そうな顔をするが、悟林が悟空達に色々と指示を飛ばす。

「ブルマさん!ベジータさん!2人をどこか寝かせられる場所に!お父さんは仙豆をお願い!!」

「お、おお!」

悟空は慌てて瞬間移動でカリン塔に向かって仙豆の確保に向かい、ブルマがタイムマシンのコックピットを開くとベジータが未来トランクスを、悟林は未来悟飯を運ぶのであった。 
 

 
後書き
身勝手の極意の名前を出して我儘の極意がほんのちょっと… 
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