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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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第51話

 
前書き
この作品の現代悟飯は復活のFの地球破壊がないので修行はしていませんから、更に実力が衰えています。

界王神はバビディの部下連中に用心していたので気の感知が出来るのか怪しいですが、エナジーと言っていたので気とは別の…ある種のプレッシャーとかそう言うのを感じ取れるんだと思います。

今回はちっとばかし短いです。 

 
未来悟飯と未来トランクスが生きる世界とは別の世界。

過去の悟飯は今日も学者としての仕事をしながら時間が空けば愛娘のパンと戯れると言う、地球ではどこにでもいる父親として過ごしていた。

「平和だなー」

この平和が何時までも続けば良いと悟飯は思っている。

第6宇宙と言う別の宇宙との格闘試合があったが、応援に行こうとは思ったが、抜け出せない仕事があったし、それに父である悟空や姉である悟林、悟空のライバルであるベジータと師匠のピッコロが出るので大丈夫だと言う確信があったので安心して仕事に集中出来た。

ただこの前の集まりでベジータから少しは修行をしろと怒られたが、本当に必要なのだろうか…?

今や父やそのライバルであるベジータはブウと闘った時の自分より遥かに強い。

そして同じ老界王神に力を引き出してもらった姉は言うまでもなく自分より遥かに強い。

自分より遥かに強い人達がいるのだから、自分が闘いに加わっても邪魔になるだけではないか?

前のフリーザと姉の闘いを見て自分とは別次元の戦闘を見た悟飯はとてもではないが、あの次元の闘いにはついていけないと思ったのだ。

確かに強敵との闘いを押し付けるようなことは悟飯も思うところはあるが、それでも自分が加わって足を引っ張るくらいならと思ってしまう。

もうしばらくは修行を疎かにしても構いはしないだろう。

地球に住む多くの者達は、そうやって平々凡々とした日常を、平和を謳歌しているのだから。

「(大丈夫だ、だって今日は珍しく父さんと姉さんが地球にいるし…今日は何があっても大丈夫だ)」

無意識な父や姉に対する甘えが、悟飯が戦士になりきれない要因の1つであることなどこの時の悟飯は知らない。

今日も仕事に一区切りついたら愛娘のパンと遊ぼうと思っていた悟飯だが、パオズ山にいる悟空の気がおかしくなった。

また農作業の合間に修行でもしてるのかと思ったが、あまりにもおかしい。

仕事が終わったら様子を見に行くかと思っていたら妙な気がこちらに近付き、そこにビーデルとパンが近付いている。

嫌な予感を感じて部屋を出て外に飛び出すと、血溜まりに倒れ伏しているビーデルとこんなことになっても泣き声を出さず身動き一つしない…。

「ビーデルさん…パンちゃん…」

「ようやく出てきたか、孫悟飯。お前にはこの体の調子を試させてもらうぞ」

2人を殺した男は父である孫悟空に酷似していたが、父ならば絶対にしない醜悪な笑みを浮かべていた。

「お前は…何者なんだ…」

「私か?孫悟空ではないかな?」

「ふざけるな!父さんは…父さんならそんな顔はしない!!良くもビーデルさんとパンちゃんを…許さないぞ貴様ーーーっ!!」

怒りで気を上げる悟飯だが、地力が全盛期のセルゲーム時代と比べれば遥かに弱々しい気だった。

孫悟空を騙る男も気の感知能力はこの時点ではなかったが、元々の感知能力と勘で今の自分でも容易く始末出来るレベルだと理解したようだ。

「ふん、怒ってもこの程度か…まあいい、少しは私の糧になるように頑張るんだな」

「うおおおおおっ!!」

怒りのままに殴りかかる悟飯だが、男にあっさりと滑るように受け流されてしまい、逆に後頭部に手刀を受けて吹き飛ばされる。

「ふむ…」

「くっ!!」

何とか立ち上がった悟飯は自分の体を確かめるように眺めている男に再び殴りかかる。

今度はラッシュ攻撃だが、男は全てを受け流して逆に悟飯の顎に掌底を叩き込み、気弾をぶつけた。

「うわああああっ!!」

「随分と闘いから離れていたようだな。まだ不慣れな体であるにも関わらずこの様とはな。これでは殺した貴様の父も浮かばれまい」

それを聞いた悟飯は目を見開く。

「な、何だって…?」

「私は慈悲深いからな…特別に教えてやろう。この体は貴様の父親の体だ。父親か姉に聞いていないか?第7宇宙と第6宇宙に存在する超ドラゴンボールと言う願い玉の力で貴様の父親の体を交換したのだ」

「体を…交換…父さんはどうした…!?」

「心配するな、すぐに殺してやった」

目の前の男は父の体を奪い、そして殺したのだと言う。

父の体を奪ってすぐにここに来たのだろう。

「き、貴様ーーーっ!!」

激怒した悟飯は超サイヤ人に変身するが、気を感知出来る者が見ればとても不安定な状態であった。

そして男も何となくではあるが、悟飯の超化の違和感に気付いており、恐らく修行をサボリ続けた結果、超サイヤ人への変身も厳しい状態なのだろう。

「やれやれ、この体の力をどこまで出せるのか確かめるためにここに来たが、これでは意味がないな。こんな不出来な息子を持った孫悟空に同情するぞ」

嫌味な笑みを浮かべる男に悟飯は父の体を好き勝手に扱う男に怒りが頂点に達しており、突撃した。

「父さん達の仇だーーーっ!!」

「諦めろ、貴様では今の私にも勝てん」

最初は流麗というか優雅というか、悟空とは正反対の動きだったが、男が体を動かしていく度に動きが父に近くなっている。 

「どうやら、孫悟空の闘い方を真似た方が動きやすいようだ。そして強い…不出来な息子と言ったことは詫びよう。貴様は私の糧になってくれそうだ。」

悟飯は悟空の息子で当然悟空からの修行を受けたこともある。

なので動きには悟空の動きが取り入れられており、男は悟飯の動きから悟空の動き方を学んでいるのだ。

凄まじい学習能力だ。

しかし、頭に血が上っている悟飯は闇雲に攻撃を仕掛ける。

「くそっ!!くそおおおおっ!!」

父や妻子の仇が目の前にいるのに攻撃が全く通用しないことに悟飯は怒りの形相を浮かべる。

男は笑みを浮かべると口を開いた。

「貴様のことは孫悟空のことを調べる際にある程度の情報を得ている。貴様は常に闘いの時に致命的な弱点を持っている…ベジータ達サイヤ人、フリーザ、人造人間…そして魔人ブウ…特に魔人ブウは第7宇宙の15代前の界王神に潜在能力を引き出してもらいながら敗北し、吸収されてブウの糧となった。貴様の弱点…それは覚悟、慢心しない心、父や姉、仲間に対する無意識な甘え、注意力…そしてもっと単純な力量が貴様には欠如している。」

「黙れーーーっ!!」

「…己の弱さを受け入れることすら出来ないとは実に醜い…」

男は悟飯の回し蹴りをかわすと手刀に気を纏わせて悟飯の心臓を貫いた。

「が…ああ…っ!」

「少しはこの体の使い方が分かった。私の糧になってくれたことに礼を言おう。孫悟空の息子よ」

それだけ言うと男は消えた。

血溜まりに沈む悟飯は意識を失う直前に2つの大きな気と1つの小さな気を感じた。

「「悟飯!」」

「兄ちゃん!」

母と姉と弟の声に何とか自分の知っていることを話そうとしたが、もう声も出せず、そのまま悟飯の意識は闇に沈んだ。 
 

 
後書き
この作品では悟林と一緒に別の畑にいたから助かったチチと悟天。

えーっと、復活のF編では悟林がフリーザを倒しちゃったので悟飯を腑抜け脱却させるのどうしようと思ってたらあ、ブラックがいたわって閃いたんです。

あいつならこれくらいは平然とやるだろうなと思って 
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