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星河の覇皇

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第七十九部第五章 勝利の予感その二十九

「ですから」
「我々としては」
「難民が連合に来ます」
「そこで国境で一旦足止めをしてチェックを受けて」
「そこから然るべき場所に送られるので」
 連合の波んに対する伝統的な政策だ、国境で一旦止めて身元をチェックしてから難民達を収容する星系に送るのだ。
「ですから」
「余程多くないとですね」
「中央政府が対応しきれないまでの」
 そこまでの難民が連合に来たことはない、サハラ各国間ならこうした非常に難儀な状況も常であった。
「そこまででないと」
「大丈夫ですね」
「我々は」 
 対応することがないというのだ。
 それでだ、伊東は三人の大統領達にあらためて話した。
「戦局は安心してです」
「最後の最後まで、ですね」
「我々に影響が及ばないので」
「政策も用意せずにですね」
「見ていきましょう
 このままというのだ。
「そうしていきましょう」
「ですね、こう言うと問題かも知れませんが」
「我々は何も出来ないですし」
「また何もする必要がないですから」
「では見ているだけです」
 行うことはというのだ。
「それだけです、では」
「はい、オムダーマンとティムールの戦闘は」
「このままですね」
「最後まで見ていることですね」
「それしかありません、しかしサハラはこれからは」 
 統一してからのこの国のこともだ、伊東は話した。
「消耗戦になっていなければ」
「その時はですね」
「統一してからすぐに発展に向かう」
「そうなりますね」
「アッディーン大統領もシャイターン主席も政治家としても優秀なので」
 例えどちらが勝って統一しようともとだ、伊東は述べた。
「維新が起きます」
「明治維新ですね」
「貴国であったそれが起きますか」
「サハラでは」
「はい、そのうえで」
 さらにというのだ。
「発展するでしょう」
「明治維新の時の日本の様に」
「急激に近代化を遂げて」
「発展もしますか」
「必ず。そしてこれはです」
 ここでやや剣呑な顔になってだ、伊東はこうも言った。
「エウロパもです」
「あの国もとなると」
「厄介ですね」
「あの国も発展するとなる」 
 三国の首脳達もエウロパについては深刻な顔で述べた。
「我々はどうするか」
「どう対応するか」
「それが重要ですね」
「はい、彼等が発展するなら」
 それならというのだ。
「ならです」
「我々もですか」
「発展する」
「そうすべきですか」
「それが正しい対応ですか」
「そう思います、明治維新になりです」
 伊東は歴史の話もした。 
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