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イナズマイレブン~クロスライジング~

作者:shoogel
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お兄ちゃんを超える

私達の喜びも束の間。
次は雷門中からのボールだ。

「行くぞアツヤ、黒薔薇!」

染岡くんからアツヤくんへとパスが渡り
果敢に攻め込んでくる。

「俺が止められるかよ!?」

どんどん攻めてくるアツヤくんに私達は抜かれていく。

「何なんあいつ!?」

リカちゃんもあっという間に抜かれていくMF陣の様子を見て
驚きが隠せない。

「行かさへんで!!」

ディフェンスに入った香津世ちゃんもすぐさま抜かれる。

「…か、かっこええやん…」

か、香津世ちゃん…。
さては、見惚れてたな…。気持ちはわかるけど…。

「行くぜ…」

アツヤくんはそのままボールに回転を加え氷を発生させる。

「エターナルブリザードV2!!」

グオオオオ!!

唸りを上げてゴールへと襲うシュート。
GKの恋ちゃんが必殺技のはなふぶきを発動させようとするものの
圧倒的なシュートの威力に吹き飛ばされゴールに突き刺さる。

《ゴールゥゥゥッ!!吹雪アツヤの圧倒的な攻めに手も足も出ませんでした大阪ギャルズCCC!!1対1の振り出しに戻りますっ!!》

正直アツヤくんの制圧力は雷門イチかもしれないな…。

アツヤくん1人にゴールを決められた私たちだが
全然ギャルズのメンバーは諦めて居なかった。

「しゃーないしゃーない!切り替えてこ!」

「うん!みんなで取り返そう!」

ピーー!

今度は私達のボール。

リカちゃんから私にパスが渡り攻め込む。

「行かせないぞ天空橋!」

「黒薔薇くん…っ!」

私の目の前には黒薔薇くん。
全力で行くしかない!

「電光石火…っ!!」

高速で抜きに掛かる私。
黒薔薇くんの横を通過したかと思ったその時だった。

「ムーンドロップ…ッ!!」

すぱん…っ!

「うっ…!」

瞬く間に私の足元からボールが奪い取られる。
電光石火が止められるなんて…。

「まだまだだな…。そんなんじゃ雷藤には及ばないぞ」

「…っ!これからだよっ!!」

私は更に低く構え技を放つ。

「サンダーバインド…ッ!!」

淡い光を放ちながら黒薔薇くんのボールへと向かう。

「甘い…!」

直後、黒薔薇くんは上空にボールを放ち飛び上がる。
ターゲットを失った技は不発に終わり空を切る。

「そ、そんな!?お兄ちゃんの技が通用しない…!?」

「これが今の現状だ。雷藤の技が通用しないという訳ではない」

私はそのまま降りてきた黒薔薇くんに目をやる。

「雷藤の技に比べてキレや反応が悪い。そんなんじゃ雷藤は救えないぞ」

「…っ!?」

予想外の言葉に私は表情が曇る。

「おい!言い過ぎだぞ黒薔薇!天空橋がどんなに辛い思いしてんのか知ってんだろ!?」

染岡くんがそう黒薔薇くんに言う。

「知っているからこそだ」

黒薔薇くんはそう私に言い切る。

そして私を抜き去り攻め込んでいく。

「あんたなんや知らんけど心美傷付けて楽しいんか!?」

リカちゃんが黒薔薇くんのディフェンスに入る。
しかし簡単に抜き去っていく。

「デスサイスG2!!」

ドゴオオオオオッ!!

ピーーー!!

《雷門続けて黒薔薇がゴールを決めたぁ!雷門勝ち越しです!!》


「円堂、なんか黒薔薇の奴が天空橋にキツイこと言ってるみたいだけど大丈夫か?」

「黒薔薇にも何か考えがあるのかもしれないな…」

風丸と円堂もそんなことを話す。

「うーん、でも確かに今の天空橋さんのドリブルなら僕でも簡単に止められるかも」

「お、おい吹雪!?」

そんなことを言う吹雪に風丸が驚く。

「黒薔薇の奴…、何を狙ってるんだ…?」



ピーー!

再びボールはギャルズから。

「心美!あんな嫌味な奴やめときぃ!」

リカちゃんがそう言うが私の脳裏にはさっきの言葉が焼き付いている。

「キレや反応が悪い…」

正直心当たりがあった。

お兄ちゃんの技ということもあり威力はある。
だけど、それはあくまで真似。

どう足掻いてもオリジナルに勝つことは難しいのだ。
確かに技を真似して使うことはできるけど、それはオリジナルのようには行かない。
発動タイミングや力加減そういうのは真似なんて出来ない。

辿り着いた答えがある。
私はその答えを呟く。

「お兄ちゃんを超える…!」

その言葉を聞いた黒薔薇くんは頷く。

「その通りだ。雷藤には雷藤の技があるように、お前にはお前の技がある…。それを使いこなせればお前はまだ強くなれる…!!」

私はその言葉に力強く頷く。

ボールはリカちゃん。
玲華ちゃんにパスを出そうとしたが私は声を掛ける。

「リカちゃん私にボールを!」

「…わかった!頼んだで!」

ボールを受け取った私。
目の前にはまたしても黒薔薇くんが立ち塞がる。

「来い…!!」

私はそう構える黒薔薇くんに向かう。

何故だろう。私のサッカーをすると決めた途端頭が冴えていく感覚。
優雅な蝶のような舞を行いながら電光石火の速さを加えていく。

「こ、これは…!?」

黒薔薇くんも驚いた顔で技を見つめる。

「これが私の技…!レジェロアクセル…ッ!!」

瞬く間に私は黒薔薇くんを抜き去る。

「なんて奴だ…!」

私に抜かれた黒薔薇くんだが表情は優しげだ。

「あいつ…ドリブルに関しては雷藤を超えたな…!」

鬼道くんからも思わずそう言葉が漏れる。

そのままゴールへと向かう私。
しかしそこに壁山くんがディフェンスに入る。

「い、行かせないっスよぉ!!ザ・ウォール!!」

ザ・ウォールを発動させた壁山くんに対して私が取った行動。

「はっ…!」

上にボールを飛ばす。
さっきの黒薔薇くんの応用だ。

そのまま私は壁山くんのザ・ウォールの壁を蹴って上空へと飛び上がる。

「行くよ円堂くん…っ!!」

「来い…天空橋!」

天使の涙の波紋と共に全力でシュートを放つ。

「エンジェル…ティアーッ!!」

私の今、放てる最高のシュートが円堂くんに唸りをあげる。

「止める…!ゴッドハンド改ィィィッ!!」

ギュルルルルルル…!!

「く…ぐ…!があっ!!」

グワシャーン!!

私が放ったエンジェルティアーは円堂くんのゴッドハンドを粉砕し
雷門に追い付く同点のシュートとなった。

「円堂くんからゴール!!やったぁ!!」

《なんと大阪ギャルズCCCに入った天空橋の必殺シュートが雷門のゴールに突き刺さったぁ!!これでまたしても同点ですっ!!》

「くっそぉ…!やるなぁ天空橋!!」

起き上がった円堂くんが私にそう呼び掛ける。

「次も決めさせてもらうよ!!」

ピィ ピィーーー!!

前半終了。

想像以上に充実した試合展開にお互い熱くなる。

「あんたらええ試合しとるやんか!!ほら沢山作っといたから後半も頑張りや!!」

そうリカちゃんのお母さんが言うと出て来たのは沢山のお好み焼き。
これがまた悪魔的な美味さなのだ…。ダメダメ、食べ過ぎないようにしないと…。

「よっしゃあ!そんじゃギャルズ後半も頑張るでー!!」

「「「おおっ!!」」」



「黒薔薇、済まなかったな」

「染岡…。なに、俺も多少熱くなって居たのかもしれない」

黒薔薇はそういうとギャルズの方を見る。

「まさかあそこまで急激に成長するとは思わなかったけどな…」

「うん、あの技は僕でも止められないかも…」

「兄貴が止められないかもって…マジかよ…」

そんな会話をしているなんて勿論心美は知らない。



ピーー!!

後半の開始のホイッスル。
ボールは雷門中から。

染岡くん、アツヤくん、黒薔薇くんが攻め込み
その後ろから鬼道くん、一之瀬くん、風丸くんが上がる。

こうして見るととんでもないメンバーだ。

「疾風ダッシュ!!」

「イリュージョンボール!!」

「オーロラドリブル!」

雷門のドリブル技が決まっていく。

「染岡!!」

アツヤくんから染岡くんに渡り
シュートの構えを起こす。

「ワイバーンクラッシュ!!」

ギュオオオオオオオオオオ!!

「はなふぶき…きゃあああ!!」

ピーー!!

《染岡のシュートが炸裂!!雷門勝ち越しです!!》



「心美!!」

玲華ちゃんからボールが渡る。
正面には吹雪くん。

「絶対…抜いてみせる…!!」

「ふふ…勝負だね…!」

私は吹雪くんに向かいドリブルを行う。
それを見た吹雪くんは技を発動させる。

「アイスグランド!!」

凍てついていく地面、私がとった行動…それは。

「リカちゃん!!」

「ナイスや心美!!」

ボールはバックパスでリカちゃんへ。

「あらら、まんまとハマっちゃった」

そのまま吹雪くんを抜き去りリカちゃんと玲華ちゃんがシュートを放つ。

「「バタフライドリーム!!」」

美しい蝶のようなシュートが円堂くんに向かっていく。

「次こそ…っ!ゴッドハンド改ィッ!!」

キュイーン パシンッ…!

円堂くんのゴッドハンドがバタフライドリームの
威力を抑え完璧に手に収める。

「だあっ!惜しいぃ!」

香津世ちゃんの声がここまで聞こえてくる。

円堂くんが蹴ったボールは風丸くんに渡ったがそこに香津世ちゃんが
ディフェンスに入った。

「行かせへんで!グッドスメル!!」

「くっ…!!」

香津世ちゃんが風丸くんからボールを奪う。

「本当に彼女たち強いぞ!?」

風丸くんがそんな風に叫ぶ。

「甲子!」

甲子と呼ばれた虎浜甲子ちゃんにボールが渡る。

「ん…っ」

驚いたことにボールの上に乗りコロコロ転がしながら
雷門のメンバーを抜いていく。

「ま、まさにたまのりピエロと言ったところでしょうか…」

目金くんも驚きつつ命名している。

「ん…っ!」

甲子ちゃんからボールはリカちゃんへ。

「とっておきは最後まで取っておくもんやで…!!」

リカちゃんはシュートの構えを起こす。

「ローズスプラッシュ!!」

薔薇が渦を巻くようにシュートを加速させて
円堂くんの守るゴールへと向かう。

「待ってたよ…あんたのシュート!!」

そこに現れたのは塔子ちゃん。

「出たな面倒そうな女…!」

「誰が面倒そうだ!!ザ・タワー!!」

塔子ちゃんのザ・タワーは止めるまでに至らなかったが
大幅に威力をダウンさせた。

「あーっ!いらんことすんなぁ!!」

リカちゃんの声が響く。

「これなら…!爆裂パンチィィィッ!!」

ダダダダダダダッ!! バシーン!!

円堂くんが弾き返したボールは高々と上空へ。

「行くよ…っ!!」

飛び上がったのは私。
上空でそのままシュート体勢を取りシュートを放つ。

「エンジェルティアー!!」

そんな私のシュートを見て円堂くんは最強技のモーションを行う。

「うおおおおおっ!マジン・ザ・ハンド改ィィィッ!!」

ギュルルルルルル!!

「はああっ!!」

シュゥゥゥゥ……

シュートは惜しくも円堂くんの手に収まる。

「ふう…危なかったぜ…。いいシュートだ天空橋!!」

流石は円堂くんのマジン・ザ・ハンド…。
私もまだまだ成長しなきゃだな。

「いっけぇぇ!!」

そのままカウンターに持っていかれるギャルズ。
ボールは一之瀬くんに渡る。

「ダーリン…♡」

リカちゃんが見惚れるのも無理はない。
見事なプレーで華麗に抜き去っていく。もうゴール前だ。

「決めるよ…!スパイラルショット!!」

ピィーーーー!!

《ゴォォォォル!!試合終了間際!一之瀬一哉の強力なシュートで追加点です!!》

「はううううううううっ♡」

あ、完全にリカちゃん堕ちたな…。

ピィ ピィ ピィーーーーーー!!

《試合終了ぉぉぉ!!途中までお互い互角の試合の接戦を制したのは雷門中だぁ!!》

流石だな雷門中のみんな…。
こんなに頼もしい仲間だったなんて…敵になって初めてわかることもあるんだな…。

雷門中VS大阪ギャルズCCC 4対2 雷門中の勝ち 
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