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イナズマイレブン~クロスライジング~

作者:shoogel
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ギャルズの実力

「あんたら東京の奴らに負けたらあかんでぇ!!」

リカちゃんのお母さんの声が響き渡る。

「なんでこんな奴らと試合を…」

そんな風に嘆く塔子ちゃん。

「ホントだね…、でも女子サッカーには興味あるかな」

そんなことを話しているとリカちゃんが近寄って来た。

「ちょおあんた!女子なんやからこっちに入ってや!」

「え…私?」

「そや、あんたやあんた」

驚きのあまり私は塔子ちゃんと目を合わせる。

「いやいやあたし達は雷門イレブンなんだぞ?」

塔子ちゃんの言葉を無視してリカちゃんは私の手を掴む。

「え、えーっ!?」

ずるずる引きずられていく私。
なんて力…、振りほどけない…。

「あたし達がそっちに加わって良いのか!?」

「何言ってるん、こっちに入るんわ女子だけや」

「あ、あたしも女子なんだけど?」

「あんたは…ええわ。なんかめんどくさそうやし」

結局連行されたのは私1人。
どうしてこんなことに…。

「むきーっ!何なのあいつ!」

塔子ちゃんの声が大阪ギャルズCCCのベンチにまで響いてくる。

「あの〜。何で私だけ?…って、わああっ!」

突如ギャルズのメンバーが私の元に駆け寄ってくる。

「恋する乙女の波動を感じたんや!」

リカちゃん達に囲まれて動揺する私。

「こ、恋する乙女!?」

「そや!あたし達は恋する乙女の味方や!」

そんな流れで一通り自己紹介を受けた私。
なんだろう、大阪の人特有の話しやすさなのかな?
自然とチームに馴染んでいく。


「なんか向こういい雰囲気じゃ無いか?」

風丸が円堂達に話す。

「そう…みたいだな。相手は女子とは言っても天空橋も加わって更に強力になってる筈だ!気を抜かず行くぞ!」

「いやいや円堂くん!相手は女子…僕たちが負けることなんてあり得ませんよっ!」

円堂の言葉に水を刺すように話す目金。

「いや、違うな」

その会話に割って入ったのは黒薔薇だった。

「他の女子はどうかわからないが、天空橋は俺たちと共にエイリア学園と戦ってきた仲間だ。あいつは自分自身の可能性をまだわかっていない。あいつは雷藤の妹なんだぞ。あいつはまだまだ伸び代がある」

「うっ…。確かに…天空橋さんが向こうのチームに行ってしまうのは予想外でしたね…」

ばんっ!
円堂がグローブを付けた手で叩く。

「だけどそのおかげで全力の天空橋と戦えるってことだろ!?絶対止めてやるぜ!」

楽しそうに話す円堂。
その様子を見た黒薔薇も笑みを浮かべている。

「よし行くぜ!!」

円堂の声掛けで選手達は自分たちのポジションにつく。



雷門イレブン

FW アツヤ 染岡 黒薔薇
MF 一之瀬 鬼道 風丸
DF 塔子 壁山 小暮 吹雪
GK 円堂

大阪ギャルズCCC

FW 天空橋 リカ 御堂
MF 万博 蛸谷 浪川 天王寺
DF 堀 虎浜 串田
GK 土洲




私の目の前に広がる光景。
こんな光景など想像したことなかった。
相手は雷門。

あまり経験したことないFWということもあり緊張していることもあるが
それ以上になんだろうこの気持ち…。

「楽しみ…!」

その私の言葉に黒薔薇くんは驚いたように反応する。

「お前からそんな言葉が聞けるなんてな」

「楽しまなきゃ損じゃない?こんな機会…!」

そんな様子を見ていたリカちゃんが寄ってくる。

「はぁ〜ん、そういうことか♡」

私に後ろに周り肩を掴む。
そして黒薔薇くんに向かい話しかける。

「あんた…、ええ男やけど心美みたいな可愛い子はまだやれんなぁ〜」

「ちょっとリカちゃん!?」

「あんたあの男か…?」

「ちょっ、ちょっと!!??」

リカちゃんのペースにまんまとハマっていく私。
そんな中、黒薔薇くんが口を開く。

「ああ、待ってろ…」

「「え…っ!?」」

私とリカちゃんは同時に反応する。

「これってそういう流れやろ!?」

リカちゃんが顔を赤らめながら私に近づく。
思わず私もドキドキしてしまう。

「この試合俺らが勝つ。早く雷門イレブンに戻ってこい」

ガクッ。

何を期待してるんだ私。

「あんたまだまだ苦労しそうやな…」

私の耳元でそう呟くリカちゃん。

「あんた女子の敵や!絶対ギャフンと言わせたるわ!」

そう指を刺され指摘される黒薔薇くん。
当本人は全く心当たりはなさそうだ…。

「…まあええわ。はよ始めよか〜」

そんな様子を見ていた古株さん。
リカちゃんの言葉に頷き、ホイッスルを手に取る。
そんな古株さんの横には角馬くん。

《さあ間もなく雷門イレブン対大阪ギャルズCCCの試合が始まります!!》

その言葉で私達は構える。

「応援は任せとき〜!!フレっフレ!ギャルズ〜!!」

リカちゃんのお母さんの応援が私たちの背中を押す。

「任せとき〜、うちの必殺通天閣シュート決めたるで!」

「「「通天閣シュート!?」」」

雷門イレブンの選手達は驚く。
そんな中、私とリカちゃん、そしてもう1人のFW御堂玲華ちゃんがリカちゃんに話す。

「あんたそんなシュートないやろ?」

「アホやな〜、そんなん知らんのやから適当に言っとけばええねん」

「あ、あはは…」

私も苦笑いを浮かべる。

ピーーーーーーー!!

《試合開始のホイッスルが鳴りました!ボールは大阪ギャルズからです!!》

「行くで心美、玲華!!」

私と玲華ちゃんは頷く。
ボールはリカちゃんから玲華ちゃんに渡り、私達は3人で上がっていく。

「心美!」

玲華ちゃんから私にボールが渡る。

「行ったれ心美!」

リカちゃんの声が響く。

「行かせないぜ!」

アツヤくんがディフェンスに入る。
私は加速しながら技を放つ。

「電光石火!」

「なっ…!」

私はアツヤくんを抜きそのまま玲華ちゃんにパスを出す。

「玲華ちゃん!」

「心美やるね!それじゃあ私も!」

玲華ちゃんにディフェンスに入ったのは風丸くん。

「プリマドンナ!」

踊り子のような舞で華麗に風丸くんを抜き去る。

「す、凄い…!!」

私は思わずそんなことを呟く。
想像以上だ。まさか雷門イレブンにも引けを取らないなんて。
思わぬギャルズの攻めに雷門イレブンも焦っているようだ。

「リカ!」

「玲華!行くで!!」

2人は飛び上がり手を繋ぎツインシュートを放つ。

「「バタフライドリーム!!」」

美しい蝶のようにゴールへと襲い掛かるシュート。
威力もなかなかだ。

「爆裂パンチィ!!」

円堂くんがパンチを放つ。
しかし、途中で回転が変わったシュートは向きを変え
円堂くんのパンチを掻い潜りゴールへと突き刺さった。

ピィーーーーーー!!

《なんと先制点は大阪ギャルズCCCだぁー!!》

「う、嘘だろ…」

ゴールに突き刺さったボールを見ながら風丸くんが呟く。

「「「いえーい!!」」」

私達ギャルズサイドはハイタッチを交わす。

「凄いよリカちゃん、玲華ちゃん!!」

そんな私に他のみんなも集まる。

「いやぁあんたのドリブル凄いなぁ!!」

そう褒められて少し照れる私。

「うん、お兄ちゃんの技なんだ…!」

「ええなぁそういうの!!」

このチームの雰囲気好きだな…。
なんだろう思い出す…。


『ねえねえ心美ちゃん見ててー!』

『危ないよー』

『私この技絶対完成させるんだぁー!』

『技の名前はー?』

『めておしゃわーって名前にするー!』


その瞬間私の頭に衝撃が走った。
思い出したのと同時に変なことを考えてしまう…。

「まさかね…」

「心美大丈夫か?」

「…えっ?」

リカちゃんの声掛けで我に帰る。

「なんか青ざめとるで?」

「う、ううん大丈夫!私も負けないように頑張らないとなって思ってただけ!」

「せやで!うちもこの試合勝って絶対ダーリン捕まえたる!」

「あ、そういえばこの試合一之瀬くんの運命掛かってるんだったね…」

私は少し罪悪感を感じつつも、持ち場に着く。

「変なことな考えない!試合に集中!」

(私の実力を試すチャンスなんだからっ!) 
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