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オズのラゲドー氏

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第十一幕その一

                第十一幕  イッソスの国に入って
 皆はイッソスの国に入りました、お寿司屋さんがある海に面した国です。ですがまだ海は見えないので前ノーム王は言いました。
「これからだね」
「ええ、海の方に行くのはね」 
 トロットは前ノーム王に答えました。
「まだね」
「そうなんだね」
「だからね」
 トロットはさらにお話しました。
「あと少しね」
「歩いていくことだね」
「お寿司屋さんのある港町まであと少しだから」
「ずっと陸地を歩いてきて」
 前ノーム王はこれまでの旅を思い出しながら言いました。
「それでだね」
「そうよ、海に出るから」
「その時までだね」
「歩いていきましょう」
「それじゃあね」
「いや、海を見るのが楽しみだよ」
 船乗りであるキャプテンは実際に楽しみにしています。
「本当に」
「キャプテンはそうよね」
「やっぱり海だよ」
 ここに進むべきだというのです。
「海を見てそこに乗り出す」
「それが好きよね」
「大好きだよ」
 こうトロットに答えました。
「そうなんだよ、だからね」
「今からよね」
「海に行けることが楽しみだよ」
「さて、港町だったら」
 カエルマンはにこにことしています。
「お寿司以外も美味しいものがあるね」
「お刺身にカルパッチョにお鍋に」
 クッキーも笑顔になっています。
「ブイヤベースもありまして」
「ムニエルなんかもいいね」
「シーフードをふんだんに楽しめますね」
「実に楽しみだよ」
「本当にそうですよね」
「わしはずっと海に縁がなかったんだ」
 前ノーム王は地底にいた頃をここでも思い出しました。
「だからだよ」
「海に行きたいのね」
「海を見て」
 ビリーナに応えました。
「そしてだよ」
「そのうえで」
「海の幸の料理をふんだんに楽しみたいよ」
「そうなのね」
「特に」
「特に?」
「お寿司だね」
 目的のものであるそれだというのです。
「それを食べたいよ」
「やっぱりそうね」
「そして他の海の幸を使ったお料理も」
「楽しみたいのね」
「パエリアや中華料理もで」
 そしてというのです。
「イタリア料理もフランス料理も」
「食べたいのね」
「今から楽しみだよ」
 見ればです。
 前ノーム王は足取りも弾んでいます、もう今にも港町に行きたいみたいです。それでこんなことを言いました。
「羽根があったら」
「すぐに行けるわね」
 今度はポリクロームが応えました。
「港町まで」
「そうだね」
「だから羽根が欲しいのね」
「今のわしはそうだよ」
「そうなのね」
「うん、ただ逸る気持ちを抑えて」
 そうしてというのです。 
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