| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズのラゲドー氏

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十幕その十一

「あの人は凄いんだよね」
「私も思うよ、私も言葉遊びには興味があるしね」
 だからだというのです。
「お手本にとね」
「考えているんだ」
「そうなんだよ」
 こうドードー鳥に答えました。
「私も」
「言葉遊びか」
 前ノーム王はそのことに興味を持ちました。
「詩にしても駄洒落にしても」
「そう、キャロルさんはそちらも上手なんだ」
「子供が好きで数学や物理もで」
「そしてなんだよ」
「言葉遊びもだね」
「いつも紅茶を飲みながら」 
 そうしつつというのです。
「楽しんでいるんだ」
「成程ね、一度会ってみたいね」
「そうしたらいいよ、想像力も豊かでね」
 このこともあってというのです。
「あの人もまたオズの国に来るべくして来た」
「そうした人なんだね」
「そうなんだよ」
「成程、では」
 あらためて言う前ノーム王でした。
「キャロル氏にもだよ」
「会うね」
「そうするよ、旅を続ける中で」
「そうしたらいいよ」
「是非ね」
「ううむ、したいこと好きなことがどんどん出て来て」
 前ノーム王は両手と両足をまるでダンスを踊る様に動かして言います、気分がよくなってそうしているのです。
「わしは楽しくて仕方ないよ」
「僕もだよ」
 ドードー鳥も言ってきました。
「オズの国にいるとね」
「そうなるんだね」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「この国にいてね」
「いいんだね」
「これこそ幸せだよね」
 こう前ノーム王に言うのでした。
「本当に」
「確かに」
 前ノーム王はドードー鳥の言葉に頷きました。
「わしもそう思うよ」
「そう言う貴方も幸せだね」
「幸せだよ、しかしこれ以上ないと思っても」
 その幸せがというのです。
「これがね」
「思ったその傍からだね」
「もっと幸せになるから」
 だからだというのです。
「凄いものだ」
「全く以てそうだよね」
「そう思う、お前さんも同じというと」
「何かな」
「どうもわしもお前さんと気が合いそうだな」
 ドードー鳥に笑って言いました、それも気さくそうに。
「これは」
「僕もそう思うよ」
「ではわし等は友達になれるな」
「そうだね」
「わしはずっと友達なんていなかった」
 王様だった時はです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧