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ハッピークローバー

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第七話 テストの結果はその六

「日本の宗教はね」
「成程ね」
「いや、ヤクザ屋さんって言っても何かとあるのね」
 富美子はここまで話を聞いて述べた。
「寝方、座り方に」
「檀家の人とかね」
「色々あるのね」
「そうみたいね」
 一華も頷いて同意を示した。
「これがね」
「そうね、それに」
「それに?」
「いや、神戸って多いわね」
 そのヤクザ屋さんがというのだ。
「やっぱり」
「港町は多いのよね」
「そうみたいね」
「港の人手の斡旋で」 
 それでというのだ。
「大阪も広島も福岡も」
「多いのね」
「もう港があれば」
 それならというのだ。
「そこにね」
「ヤクザ屋さんが多いのね」
「人手の斡旋でね」
 一華は話した。
「そう聞いてるわ」
「港はいいけれど」
「そこにヤクザ屋さんが根を張ることはね」
「困るわね」
「それで神戸には山口組の本拠地があるのよ」
「三代目の人有名よね」
 富美子はここでこの人物の名前を出した。
「田岡組長ね」
「その人有名じゃない」
 留奈はまさにという口調で言った。
「昭和の大親分じゃない」
「戦後のね」
「芸能界とかプロレスにも進出してたのよね」
「美空ひばりさんや力道山さんとも縁が深くてね」
「映画にもなってるじゃない」
「高倉健さん主演でね」
「それでね」
 一華はあらためて話した。
「幡随院長兵衛さんも」
「江戸時代の人ね」
 理虹が応えた。
「最初の頃の」
「時代劇か何かで出てたわね」
「町奴とかね」
「敵は旗本でね」
「水野十郎左衛門」
「旗本奴ね、この長兵衛さんも」
 彼もというのだ。
「本職は人足斡旋の元締めで」
「山口組と一緒ね」
「テキ屋さんと賭場とね」
「人足斡旋がなのね」
「ヤクザ屋さんのお仕事だったのよ」
「そうだったのね」
「それが覚醒剤やら密輸密造もやって」
 そうしてというのだ。
「今みたいにね」
「なったのね」
「そうみたいね」
 一華は理虹にこう話した。
「今港町のお話聞いて思い出したけれど」
「そうした斡旋って今は人材派遣ね」
「それはね」 
 この分野の仕事はというのだ。
「元はね」
「ヤクザ屋さんがやってたのね」
「そうみたいね」
「ううん、派遣って今色々言われてるけれど」
 かな恵も言ってきた。 
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