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オズのラゲドー氏

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第八幕その九

「幅はね」
「同じだね」
「そうよ、道の幅に」
 それにというのです。
「他の度量衡もね」
「ああ、オズの国でだね」
「アメリカではポンドとかフィートが多いけれど」
「キログラムやメートルでだね」
「統一しているの」
「そうしているね」
「こうしたことは一つじゃないと」
「皆困るね」
「だからそうしてるの、それでね」
 トロットはさらにお話しました。
「言葉や文字はオズの国は最初から皆同じでしょ」
「英語だね」
「そこは問題ないのよ」
「だから何もだね」
「政策としては何もしていないの、ただ他の国の言葉や文字もあるから」
 そちらもというのです。
「拒まれてはいないの」
「わしはオズの国を征服するつもりだった」
 前ノーム王はここでまたかつての自分を振り返りました。
「しかし」
「それでもなのね」
「そうしたことまでは」
「考えていなかったの」
「征服して」
 そしてというのです。
「オズの国に君臨し」
「そしてなの」
「それで好き放題して」
「終わりだったの」
「その他のことは考えていなかった」
 そうだったというのです。
「かつてのわしは、しかしオズマ姫もあんたも」
「ドロシーもベッツイもよ」
 オズの国の王女達はというのです。
「皆そうよ」
「オズの国を素晴らしい国にする為にいつも考えている」
「今も素晴らしい国だけれど」
 それでもというのです。
「もっとよくなるから」
「だからだね」
「もっとね」
「皆の為になる政治を考えて」
「実行していっているの」
「そうだね、わしにはそれがなかった」
 どうしてもというのです。
「これでは駄目だった」
「オズの国をどう治めるか」
「そのことがだね」 
「大事なのよ」
「全くだ、わしは何もかもが間違っていた」
 かつてはというのです。
「やはりカリフの方がよかった」
「ノームの国の王様に」
「そしてだよ」
 まさにというのです。
「わしはもう二度と邪な心を持ってはいけない」
「今の方が幸せでしょ」
「あの時のわしは全然幸せでなかった」
 邪心に満ちてオズの国を征服しようとしていた時はです。
「本当に」
「それじゃあ今は」
「全く以てね」
 本当にというのです。
「幸せだよ」
「そうよね」
「そして今以上に幸せになれるね」
「そうなれるわ、オズの国もね」 
 この国もというのです。
「今以上によくなるから」
「だからだね」
「私達は今もね」
「オズの国とそこにいる皆の為に」
「今以上にもっともっとね」
 まさにというのです。 
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