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星河の覇皇

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第七十九部第四章 エウロパも気付きその四

「なかったです」
「しかしだ」
「それをですね」
「オムダーマン軍は覆した」
 そうしたというのだ。
「完全にな」
「そうですか」
「潜水艦も開発した」
「宇宙の艦艇として」
「そしてそれをだ」
「戦場に隠していて」
「使ってくる」
 この戦いでというのだ。
「間もなく信じられない光景が出て来る」
「戦場においてですね」
「殆どの者がそうであるな」
「そうしてですね」
「オムダーマン軍は勝つ、しかもだ」
「その勝利はですね」
「一つの会戦だけではない」
「戦線全体で、ですね」
「その勝利を狼煙としてだ」
 そうなってというのだ。
「さらにだ」
「オムダーマン軍全体が攻勢に出ますか」
「そうなる」
「そうしてですか」
「戦争は終わる」
 オムダーマンの勝利によってというのだ。
「それはもう決まっている」
「長官の戦術眼では」
「そう見ている、若しもだ」
「若しもとは」
「オムダーマンで異変があればだ」
 今ティムールで起こっているそれがというのだ。
「その時はだ」
「オムダーマンがですか」
「敗れていた」
「アッディーン大統領が戦場に不在となり」
「そうなってだ」
 その為にというのだ。
「シャイターン主席が攻勢に出てな」
「ティムール軍が勝っていましたか」
「そうなっていた」 
「そういえば」 
 プロコフィエフは顔を曇らせた、そうしてタンホイザーにこうも言った。
「時として災害がです」
「戦争に影響するな」
「そうした事例もありますね」
「気候にしてもな」
「大雨の中での戦闘となり」
 そしてとだ、プロコフィエフは話した。
「雨を利用した方が勝つこともありましたね」
「ワーテルローでフランス軍はまず雨に躓いた」 
 戦闘が行われる前日雨が降った、ナポレオンはその雨で出来たぬかるみが乾くのを待ってから進撃を命じたが乾くまでのロスも後の戦局に影響したと言われている。
「イギリス軍は助かったがな」
「あの時フランス軍が即座に攻撃にかかっていれば」
「プロイセン軍の到着までにだ」
「イギリス軍は崩れていたかも知れないですね」
「そうなっていればフランスは勝っていた」
 イギリス軍を崩していればだ。
「プロイセン軍が戦場に到着してもな」
「後はそのプロイセン軍を叩けばいいですね」
「各個撃破が出来ていた」
 ナポレオンが得意とした戦術の一つだ、自身が率いる軍の高い機動力と高度な用兵を以て一方の敵を倒した後速やかにもう一方の敵に軍勢を向け撃破する。ナポレオンはこの戦術で勝利を得てきたのだ
「それが出来ていた」
「まさに前日の雨もですね」
「彼にとって不運となっていた」
 その他にも様々な敗因があったがだ。 
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