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オズのラゲドー氏

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第七幕その二

「あそこもよかったよ」
「ああ、あそこですね」
 ナターシャは前ノーム王の言葉に頷きました。
「大阪の」
「外の世界ではそう言う街だね」
「面白い街でして」
「あの街の様にだね」
「通天閣や蟹や河豚の看板があって」
「ああしてだね」
「くいだおれのおじさんがいて」 
 そうしてというのです。
「カレーライスはルーとご飯が妻女から混ぜてあって」
「善哉は二つ出るね」
「それで串カツやお好み焼きが美味しいですね」
「焼きそばもたこ焼きもだよ」
 前ノーム王はナターシャとリズミカルにお話します。
「最高の味だよ」
「そしてビリケンさんがおられて」
「あの神様もだね」
「そして野球は」
「あのチームだね」
 前ノーム王は満面の笑顔で言いました。
「虎のチーム」
「オズの国にもありますからね」
「わしは景浦さんとお友達になったよ」
「景浦さん?」
「何でも戦争前に活躍した人らしいよ」
 お名前を聞いて首を傾げさせるナターシャにお話しました。
「第二次世界大戦のね」
「あの戦争ですか」
「その前にね」
「そうですか」
「その時にね」
「阪神で活躍されたんですか」
「そうだったんだ」
 こうお話するのでした。
「他にも若林さんや藤村さんとも知り合ったよ」
「藤村さんは私も知ってます」
 ナターシャにしてもというのです。
「初代ミスタータイガースですね」
「何でもそうらしいね」
「物干し竿バットで」
「有名だね」
「あの人は、そういえばここには虎がいないね」
 前ノーム王はサバンナの中の生きもの達を見回って気付きました。
「サバンナには」
「虎はジャングルや森の生きものよ」
 トロットがお話しました。
「だからなのよ」
「それでいないんだね」
「豹もだけれど」
「豹はサバンナにもいられるんだね」
「ええ、けれどね」
 それでもというのです。
「虎はそうなのよ」
「ジャングルや森の生きものでだね」
「平原にはいないのよ」
「だからここでは見ないんだね」
「ええ、色々な生きものがいてもね」
「そのこともわかったよ、それと」
 自分達の傍にいた象達を見てでした。
 前ノーム王はその大きな姿も見て言いました。
「大きいね」
「象はね」
「サバンナで見る象は特にね」
「うん、それはね」
 象のうちから一頭言ってきました。
「僕達もわかっているよ」
「そうなんだね」
「うん、僕達はアフリカゾウでね」 
 それでというのです。
「マルミミゾウやインドゾウよりもね」
「大きいんだね」
「だからね」 
 それでというのです。
「サバンナにいても問題ないんだ」
「そうなんだね」
「何ならお腹の下を潜る?」
 象から前ノーム王に言ってきました。 
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