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星河の覇皇

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第七十九部第三章 不測の事態その十八

「ですから」
「若しティムールに運があればか」
「あちらで言うアッラーの加護があれば」
 それでというのだ。
「勝てます」
「そうなるか」
「はい、ですから」
「まだオムダーマンの勝利とはか」
「言えないかと」
「ではこれからはだな」
「見ていくべきです」
 戦局の推移、それをというのだ。
「勝敗が完全に決するまでは」
「それがいいな」
「はい、ではサハラは推移を見つつです」
 戦局のそれをというのだ。
「これからの外交を考えていきましょう」
「それがいいな」
「急ぎませんし」
 八条はこうも言った。
「あの国については」
「そうだな、サハラはな」
「交流は浅いです」
 中央政府だけでなく各国政府もだ、連合はどうしてもサハラとの交流は浅く狭いものに終わっているのだ。
 だからだ、八条もこう言ったのだ。
「こちらからの利益もないですし」
「中央政府の利益は誤差の範囲でな」
「各国政府にしても」
「零コンマ幾つの割合だ」
 連合とサハラの利益のそれはだ。
「黒字でも赤字でもな」
「まことに微々たるもので」
「利益も損失もな」
「まさに誤差の範囲です」
 それこそ零コンマ幾つの、というのだ。
「ですからもうです」
「深く考えることもないな」
「危急でも重要でもありあません」
「ではゆっくりと見てな」
「そうしてです」
「決めていくか」
「そうしていきましょう、では今の課題ですが」
 八条はキロモトにあらためて述べた。
「国防省で今危急ではないですが重要と言うべきことは」
「それは何だ」
「ゾロアスター超巨大戦艦用の整備です」
 このことだというのだ。
「今は人工惑星の整備と同じ様にしていますが」
「改善の余地があるか」
「ドッグが必要かという意見が出ています」
「あの超巨大戦艦のか」
「はい」
「それはな」
 どうかとだ、キロモトは八条の言葉を聞いてすぐに難しい顔になってそのうえで彼に対して答えた。
「やはりな」
「難しいとですね」
「私は思うが」
「全長百キロの戦艦の為のドッグは」
「幾ら何でもだ」
 それはというのだ。
「非現実的だ」
「置くにはですね」
「そうだ、ティアマト級でもだな」
「港には入っていますが」
「何とかだな」
「ドッグを用意出来ている状況です」
 ティアマト級の為のそれをだ。
「そうした状況です」
「そうだな」
「はい、しかしですね」
「それでようやくだな」
 ティアマト級の大きさでというのだ。 
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