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星河の覇皇

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第七十九部第三章 不測の事態その十七

「私には思えません」
「だから王か」
「そうかと、しかしその国はです」
「かなりの国になるか」
「そうかと。やがて連合の大国になるでしょう」
 そこまでの国になるというのだ。
「何代か経て」
「イスラムの国としてだな」
「そうなるかと。今連合で最も大きなイスラムの国はトルコですが」
 あのオスマン=トルコを銀河の時代に再現したと言われるまでの大国になっていて連合でも大きな力を持っている。
「しかしです」
「やがてはそのトルコもか」
「凌駕するかも知れません」
「それだけの国になるかも知れないか」
「サハラもです」
 シャイターンがいたこの国もというのだ。
「人口はともかくとして」
「国力ではか」
「凌駕して」
 そしてというのだ。
「さらに発展するかも知れません」
「それは有り得るな、連合とサハラの国力差は圧倒的だ」
「国力で六百倍は違います」
 人口は二十倍でだ、言い換えるとサハラはまだそこまで貧しいのだ。
「そうした中で、です」
「新国家を築いてな」
「発展させますと」
 それでというのだ。
「相当な国になり」
「国力でサハラを凌駕するな」
「連合には一国だけでサハラの国力を凌駕する国が幾つもあります」
 連合全体で六百倍の大きさがあってだ、サハラと比べて。
「その中で、ですから」
「国力で凌駕もな」
「可能です」
 こう言うのだった。
「それも」
「連合とサハラを比べるとな」
「まことに歴然とした差がありますので」
 それ故にというのだ。
「総生産も技術も」
「その中で国家を持つとな」
「非常にです」
 まさにというのだ。
「豊かになりやすいので」
「だからだな」
「シャイターン主席もです」
「サハラ以上の国家を築けるか」
「あの政治力なら。そしてカリスマもありますので」
「人も来るか」
「そうなります、ですがそれはです」
 シャイターンが連合に入るにしてもというのだ。
「まだ先のことですし決まってもいません」
「予測だな」
「シャイターン主席はおそらく首都星系に戻られています」
 災害救助と復興の陣頭指揮を秘かにとはいえ執る為にだ、八条はキロモトにまたこの話をするのだった。
「しかしです」
「それでもか」
「はい、ティムールに完全に勝機がないか」
「それはだな」
「言えません、戦争に絶対はありません」
「劣勢の相手が勝つ」
「そうしたことも多いです」
 それが将帥の質の優劣であってもだ。
「ある程度運も左右しますので」
「運だな」
「戦争、特に戦場ではこの要素が大きいものです」
「運があると勝つ」
「そうしたことは多いです」
 この時代、銀がの時代でもそれは変わらない。多くの優秀な将兵達が運の有無と大小で敗れて命を落としたりしている。 
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