| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズのラゲドー氏

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四幕その四

「どのお料理にもナッツかチーズが入っているわね」
「やっぱりプレーリードッグだからですね」
 ナターシャが言ってきました。
「げっ歯類の」
「ええ、やっぱりげっ歯類はね」
「そうしたものが好きですね」
「鼠や栗鼠もそうでね」
「兎もですね」
「皆ね」
 それこそというのです。
「そうしたものが大好きだから」
「ここの食べものにも」
「入っているわね」
「そうですね」
「大豆やピーナッツ、胡桃にね」
「カシューナッツもありますね」
「兎に角お豆ね」
 つまりナッツ類にというのです。
「それでね」
「チーズですね」
「こうしたものがないと」
 それこそというのです。
「プレーリードッグの人達は駄目なのね」
「そういうことですね」
「ええ、それでそのナッツやチーズがね」
「お料理の中にありますと」
「美味しいわ」
「そうですよね、お握りにも」 
 ナターシャは今はお握りを食べています、そうしつつ言うのでした。
「煮られた大豆が入っていまして」
「ご飯の中に」
「それでね」 
 それでというのです。
「独特の味わいがあります」
「そうなのね」
「これも美味しいです」
「それは何よりね」
「日本にいるとお握りがよく出ます」
「日本人の殆どの人が大好きよね、それでオズの国でも」 
 こちらでもというのです。
「日系人の人達がいるでしょ」
「だからですね」
「お寿司も入っているし」
「お握りもですね」
「あるわ、それで今貴女も食べているのね」
「はい、私お握りも好きなんです」
 ナターシャは三角形の海苔で巻かれたお握りを両手に持って食べます、そうしてトロットに微笑んでお話しました。
「ですから」
「それでなのね」
「はい、今もこうして」
「食べているのね」
「そうしています」
 実際にというのです。
「こうして」
「じゃあ私も次はね」
「お握りですね」
「そちらを頂くわ」
 こう言うのでした。
「是非ね」
「それでは」
「日系人の人達はすぐにわかるよ」
 ノーム王はサイダーを飲みながら言ってきました。
「本当にね」
「それはどうしてかしら」
「だっていつも働いているんだよ」
 トロットに笑顔で答えました。
「頑張ってね」
「あっ、確かにね」
 ここでトロットも頷きました。
「日系人の人はね」
「オズの国の何処でもそうだね」
「物凄く真面目でね」
「朝から夜まで働いているね」
「勤勉だわ」
「どんなお仕事でもね」
 それに関係なくというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧