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オズのラゲドー氏

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第三幕その九

 皆この夜も楽しんで、でした。朝は起きるとまずは皆それぞれお風呂に入りました。そうしてからでした。
 朝ご飯を食べてからホテルを出ました、それでまた街の中を歩いているとそこで街の人達が噂しちました。
「いや、明るくて陽気で」
「実に気さくなノームさんだったね」
「しかも気前もいいし」
「宝石ぽんと出してくれるし」
「あんないいノームさんいないよ」
「本当にね」
「ホテルにいたノームさんね」
 こうしたお話をしていました、そのお話を聞いてです。
 クッキーは首を傾げさせて言いました。
「ワインを十本空けたっていうノームさんね」
「間違いないわね」
 ビリーナも言いました。
「その人は」
「そうね」
「さて、どんなノームさんかしら」
「お会いしてみたくなったわ」
「尚更ね」
「ええ、本当に誰かしら」
「本当に気になるわ」
 ここで、です。ビリーナは。
 ふと閃いたお顔になってこう言いました。
「このまま歩いていけばね」
「街の中を?」
「そう、目立つ人みたいだから」
 それでというのです。
「街中を歩いていけばね」
「見付かるかしら」
「きっとね」
 こう言うのでした。
「そうなるわ」
「目立つ人は自然と見付かるよ」
 カエルマンは陽気に言いました。
「それは事実だね」
「そうでしょ」
「私にしろそうだしね」
「ええ、あんたも目立つわ」
 ビリーナはカエルマンにお顔を向けて答えました。
「それもかなりね」
「そうだね」
「大きな蛙でその服装だから」
「お洒落かな」
 ここでいつもの気取りを見せるカエルマンでした。
「いつも通り」
「ええ、ただね」
「目立つことはだね」
「事実でしょ」
「自覚しているよ」 
 その黄色のタキシード姿で答えます。
「そのことも考えてのファッションだしね」
「そうよね」
「だからね」
 それでというのです。
「目立つことは何よりだよ」
「それでそのノームさんもね」
「目立つみたいだしね」
「街中を歩いていると」
「自然と見付かるね」
「だから観光を続けて」
 そうしてというのです。
「歩いていればね」
「いいね」
「そう思うわ」
 こうお話してでした、皆はです。
 このまま歩いてそうしてでした、観光を楽しんでいました。観光を楽しみながらそのノームと出会うのを待っていましたが。
 ふとです、テーマパークの中で、でした。ホビットのカップルがアイスクリームを食べながらお話をしているのが聞こえてきました。
「コーヒーカップにいたノームさんは」
「随分楽しんでいたわね」
「明るく笑っていて」
「賑やかだったし」
「見ているこっちもね」
「楽しくなったわ」
 こうしたお話をしていました、そのお話を聞いてでした。
 ビリーナはすぐにトロットに言いました。 
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