| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十九部第二章 観戦武官達の動きその三十六

「あまり食わないな」
「そうだよな」
「それじゃあな」
「縁がないのも当然だな」
「そうだよな」
「縁は作るものだろ」
 こう言ったのは兵士長の階級を付けたセーラー服の者だった。
「そうだろ」
「まあそれはな」
「アッラーが導いてくださってな」
「それでだよな」
「縁は自分でも作るな」
「そういうものだな」
 インドネシアはムスリムが多いのでアッラーの名を出す者もいた。
「じゃあスパム食ってくか」
「俺達でな」
「機会を見付けて」
「そうしていくか」
「そうすればいいさ、しかし今は時々出る位だけれどな」
 出港中に出るのとをだ、兵士長はこう表現してから話した。
「これがしょっちゅうだと飽きただろうな」
「昔はそうだったらしいな」
「第二次世界大戦の時は」
「俺達がまだ独立してなかった頃な」
「日本と一緒に戦ってたな」
 スカルノ達が日本と協力して戦ったのだ、当時インドネシアを植民地にしていたオランダは日本に実に呆気なく敗れたことは歴史に残っている。
「その頃の話か」
「もう大昔もいいところだな」
「千年以上前で」
「その頃はそうだったんだな」
「アメリカ軍はやたらスパム食ってたのか」
「ステーキやアイスクリームも食ってたさ」
 あとドーナツもだ、アメリカ軍は当時から食生活が充実していた。
「それでも特にな」
「スパムか」
「それか」
「一番食ってたか」
「そうだったんだ」
「そうだよ」
 当時のアメリカ軍はというのだ。
「それで飽きたって実際にな」
「なってたんだな」
「まあそればかり出たらそうなるな」
「日本人もお握りばかりだと飽きるだろうしな」
「それだとな」
「ご先祖様達も飽きたみたいだな」
 兵士長ははっきりと言った、そのアジア系の顔で地毛の金髪が目立つ外見で。
「そんな絵も残っていたぜ」
「そりゃそうだな」
「まあ当時はそんな状況だよな」
「戦争してていつも違うものが食えるとかな」
「流石に無理か」
「ああ、けれど戦場で肉食えるとかな」
 当時ではというのだ。
「凄かったみたいだな」
「だろうな、昔は」
「戦場で餓えるとかずっとざらだったしな」
「船だって航海で壊血病ってあったしな」
「それで随分死んだしな」
 大航海時代ではこれで多くの船乗りが命を落としている、マゼランの世界一周の航海でも多くの乗員がこれで死んでいる。
「戦場でいつも違うもの食えるとかな」
「当時じゃ流石に無理か」
「幾らアメリカ軍でもな」
「当時から凄かったにしても」
「そうだったんだよ」
 本当にそうだったというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧