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星河の覇皇

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第七十九部第一章 気候と災害その三十二

「モンサルヴァート軍務相は予想以上だ」
「左様ですね」
「その軍の復興の勢いはかなりで」
「我々も驚いています」
「そして将兵の練度も上がっています」
「軍は精強であるべきでありだ」
 ギルフォードはさらに言った。
「規律も厳正であるべきだが」
「非常にですね」
「エウロパ軍は予想以上にそうなっていますね」
「訓練と規律が徹底し」
「そうなっていますね」
「私の予想以上だ」
 まさにというのだ。
「見事なものだ」
「流石と言うべきでしょうか」
「以前から軍で辣腕家と言われていましたし」
「確かな識見を持つと」
「それが発揮されていますね」
「彼は基本的に戦術家だが」
 ギルフォードはモンサルヴァートの資質を的確に見抜いていた、彼は軍政家であるよりもまずはそちらであるのだ。
「しかしだ」
「政治力もですね」
「あの方は備えておられて」
「そうしてですね」
「今見事な軍政を行われていますね」
「そうだ、軍政家としても優れている」
 それがモンサルヴァートだというのだ。
「今のエウロパで随一のな」
「だからですね」
「あの方を軍務相にされたのですね」
「他の方をという意見もありましたが」
「閣下はあの方にされたのですね」
「勿論戦争になれば前線に立ってもらうが」
 本質的に戦術家であるからだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「今現在はですね」
「軍政に専念してもらう」
「そうしてもらいますか」
「そうだ、しかしその軍政も私の予想以上だ」
 あらためてこう言うのだった。
「基地も軍路も整えていてだ」
「訓練と規律をさらに徹底させている」
「それがいいですね」
「私は訓練と軍規軍律はとりわけ重視している」
 軍の中でもというのだ。
「これはヒトラーも同じだったが」
「ドイツ軍の訓練も軍律もかなり厳しかったです」
「プロイセン以来の伝統で」
 兵隊王と言われたフリードリヒ大王の父の頃からで大王はそれをより徹底させた、当然ビスマルクの頃もだった。
 しかしだ、ヒトラーはそのドイツ軍の訓練や軍律をさらにだったのだ。
「より訓練を増やし軍律を厳しくし」
「そこからさらに精強な軍隊にしようとしましたね」
「まさに一兵卒の一挙手一投足まで己の命令に忠実に従う」
「そうした軍隊にしようとしましたね」
「そして実際に一糸乱れず戦いだ」
 当時のドイツ軍はというのだ。
「強かったな」
「伝統的に精強な軍隊ですが」
「その中でも特に、でしたね」
「二次大戦中のドイツ軍は強かったです」
「それもかなり」
「あの時のドイツ軍の様にしてだ」
 そしてというのだ。 
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