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星河の覇皇

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第七十九部第一章 気候と災害その二十八

「それでもな」
「そこからですね」
「野党をどう育てるか」
「もう一つ政権を担当出来る政党を育てる」
「それが難しいですね」
「これが階級や国家運営の考え方が二つあればやりやすい」
 健全な野党、政権を担当出来る政党をもう一つ育てることはというのだ。
「エウロパでは貴族と平民がいるな」
「貴族や資本家後は地主の保守派と平民と労働者それに農民の改革派ですね」
「おおむねそうなっていますね」
「エウロパの階級では」
「左様ですね」
「そうだ、そして連合ではだ」
 この国の場合はというと。
「中央集権か地方分権かでだ」
「国家運営の違いがありますね」
「それぞれ改革派と保守派になっていますね」
 名前はエウロパと同じだがこれは偶然だ、中央集権派が改革派であり地方分権が保守派という名称なのだ。
「左様ですね」
「階級や政策が違えば」
「そこから野党を育てやすい」
「そうなっていますね」
「そうだが」
 ギルフォードはさらに話した、
「階級や政策が曖昧で与党が様々な階級や政策を受け入れる政党ならな」
「野党は、ですね」
「どうしても育てにくい」
「そうなってしまいますね」
「そこでマスコミが妙に野党を甘やかしたりだ」
 当時の日本の様にだ。
「野党の支持母体がおかしいとな」
「余計にですね」
「健全な野党は育ちにくい」
「そうした状況に陥ってしまいますね」
「実際に日本は長い間苦労した」 
 健全な野党を育てることについてだ。
「健全な野党を育てることにな」
「そのことを思うと」
「我々は有り難いですね」
「健全な野党を持てて」
「それも複数あり」
「無能で何の政策も語れない野党なぞだ」
 ギルフォードはこれ以上はない否定を込めて述べた。
「害でしかない」
「国家にとって」
「そうしたものでしかないですね」
「そうだ、有害なことこの上ない」
 こう言うのだった。
「そうした政党は選挙で立候補者を落としてだ」
「存在を消すべきですね」
「議会にあっても有害なだけなので」
「そうすべきですね」
「それは有権者が決めることだ」
 ギルフォードは民主主義のこの原理も話した。
「そして有権者が愚かだとな」
「そうした野党を置いてしまい」
「最悪政権に就けてしまう」
「そうなってしまいますね」
「当時の日本の様にな、愚劣な野党は不要だ」 
 またしても言い切った言葉だった。
「何よりも不要だ」
「政治の世界においては」
「全く以て不要ですね」
「そうした野党こそ衆愚政治そのもののですし」
「有害と言うしかないですね」
「衆愚政治は簡単に陥る」
 民主政治からそうなるというのだ。 
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