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星河の覇皇

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第七十九部第一章 気候と災害その二十七

「それでだ」
「政治が出来なかったのですね」
「まともな政治が」
「そうだったのですね」
「それで結局選挙に敗れた」
 無能ならば見限られる、当然のことでだったとだ。ギルフォードはステーキを食べつつ冷徹な声で述べた。ヒレ肉のレアのそれを。
「そうなった」
「そうした野党はですね」
「若し政権に就いても」
「所詮は馬脚を表すだけですね」
「口だけではだ」
 そうなってしまうとだ、ギルフォードは言い切った。
「そして実際にだ」
「馬脚を表してですね」
「そうしてですね」
「無能を曝け出し」
「そうして自滅してですね」
「政権の座から引きずり降ろされましたね」
「マスコミの後ろ盾だけで政権に就いてもだ」
 当時の日本の様にだ、尚この時代ではマスコミの力は連合でもエウロパでも相当に落ちているのでマスコミのバックアップは意味がなくなっている。
「それでもだ」
「実力がなければ」
「それで終わりですね」
「何も出来なくて」
「実際に何も出来なくてだ」
 そしてというのだ。
「政権から下ろされるしな」
「実力なき者は何も出来ませんね」
「例え権力の座に就いても」
「そうしても」
「そうだ、実力あってこそだ」
 まさにというのだ。
「何かが出来る、野党もだ」
「実力がなければ」
「それでは存在理由がありませんね」
「まことに」
「そうなっては」
「そうだ、若し彼等に実力がなければ」
 そしてそうした者がいなければというのだ。
「私も挙国一致内閣に入れていなかった」
「最初からですね」
「そうしていましたね」
「閣下にしましても」
「私は実力を見ているのだ」 
 まさにそれをというのだ。
「だからだ」
「何としてもですね」
「まずは実力ですね」
「それがあるかどうか」
「それが大事で」
「野党も然りだ、ただ健全な野党は難しい」 
 ギルフォードはこうも言った、皆ステーキを食べ終えてデザートを頼んだが皿とフォークそれにナイフは下げられ皿の上にはワインだけがある。
 そのワイン上等の渋い赤ワインを飲みつつ彼はさらに話した。
「育て存在させる為にはな」
「それはそうですね」
「どの国も苦労していますね」
「民主主義が定着しても」
「健全に有能な野党は育てにくいですね」
「まずだ」
 ギルフォードは言った。
「政権を担え国家を運営出来る政党だ」
「それを育てることですね」
「まずは」
「それからですね」
「一つ育てることですね」
「そうだが」
 しかしというのだ。 
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