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ドリトル先生と幸せになる犬

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第十幕その一

                第十幕  浅ましい人達
 国崎さんから連絡が来ました、それで先生は次の日曜日に国崎さんのお家にお邪魔することになりましたが。
 王子もトミーもそのお話を聞いて思わず眉を顰めさせました。
「無茶苦茶だね」
「あんまりですね」 
 先生のお家で先生と一緒に晩ご飯を食べつつ言いました。
「それは」
「恥知らずもいいところだよ」
「そもそも絶縁されてるのに」
「お家に行っていいのかな」
「あの人達がふわりを捨てたんですよね」
「もういらないって言って」
 こう言うのでした。
「まさかふわりを返せなんて」
「よく言えますね」
「それも電話で断られたら直談判って」
「あんまりですね」
「こうならないといいと思っていたよ」
 先生は怒る二人に対して冷静に応えました。
「僕はね」
「けれどですね」
 トミーはその先生に応えました。
「こうなるとですね」
「可能性としてあるとね」
「そうですか」
「うん、それで僕もね」
「その日はですね」
「国崎さんのお家に行ってね」
 そうしてというのです。
「状況を見守るよ」
「そしていざとなったらだね」
 今度は王子が言ってきました。
「先生が出てことを収めるんだね」
「いや、そうはならないよ」
 先生は微笑んで答えました。
「絶対にね」
「それはどうしてかな」
「ふわりは賢いしちゃんと見えているからだよ」
「それでなんだ」
「そう、僕が言わなくてもね」
 それでもというのです。
「いざとなればふわりが自分で決めるよ」
「そういうことだね」
「王寺もわかったね」
「そのつもりだよ」
「僕もわかりました」
 トミーも言いました、それも微笑んで。
「そういうことですね」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「僕は動物の皆と一緒に行くけれど」
「何もしないですね」
「多分リビングにいてね」
 国崎さんのお家のそちらにというのです。
「状況を見守るだけだよ」
「それで終わりですね」
「間違いなくね」
 先生がこう言うとです。
 動物の皆もです、こう言ってきました。
「先生には僕達がいるし」
「だから安心だね」
「僕達は先生を守るし」
「そして国崎さんのご家族もね」
「あの恥知らずな人達が何かしても」
「その時は皆で吠えて終わりだよ」
「そうすることもないよ」 
 先生は皆にも微笑んで応えました。
「全くね」
「そうなんだね」
「私達も見守るだけね」
「ことの推移を」
「それだけだね」
「そうだよ、彼等は何も得ることなく帰るよ」
 そうなるというのです。 
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