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イベリス

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第二十三話 愛と二人でその四

「賭場を提供したりテキ屋さんにね」
「場所を貸すことも」
「そちらにもよ。ちなみにテキ屋さんも」 
 こちらもというのだ。
「結構ヤクザ屋さんと近いのよ」
「そうだったのね」
「ヤクザ屋さんは賭場とテキ屋から出て来たのよ」
「悪いことをしてじゃないの」
「まあ悪いこともしてるけれどね」
 愛は苦笑いでそのことを否定しなかった、やはりヤクザ者イコール悪人の図式は存在しているのだ。
「けれどね」
「元々はそうしたところからなの」
「出て来ていて」
 そしてというのだ。
「今に至るのよ」
「麻薬の密売とかショバ代からじゃないの」
「そちらも収入源だけれどね、ショバ代は最近ないけれどね」
 こちらの取り締まりも厳しくなってだ。
「兎に角最初はね」
「テキ屋とか賭場からだったの」
「ヤクザ屋さんはね、それでギャンブルで儲けるのは」
「親で」
「ヤクザ屋さんとか場所を提供している人だけよ」
「そうなのね」
「カジノだって」
 こちらもというのだ。
「儲かるのはね」
「カジノを経営している人達ね」
「そうよ、競馬や競輪もそうよ」 
 こうしたギャンブルもというのだ。
「儲かっているのはね」
「やる人じゃないのね」
「馬主さんとか競馬を運営している人達よ」
「じゃあやる人は」
「博打で蔵建てた人はいない」 
 愛はこの言葉も出した。
「そういうことよ」
「やる人は儲からないのね」
「そうよ」
 実際にというのだ。
「だからギャンブルで儲けるとかね」
「ないことね」
「どうしても儲けたいなら」
 そう思うならというのだ。
「自分がね」
「親になることね」
「そう、けれど咲ちゃんそんなつもりないでしょ」
「そもそもギャンブル自体にね」
 咲はあっさりと答えた。
「ゲームセンターは行くけれど」
「まああれは遊びね」
「それだけね」
「別に換金とかないでしょ」
「お金入れてゲームする場所で」
「そういうのないから」
 だからだというのだ。
「別にいいのよ」
「そうなのね」
「遊んでもね」
「パチンコは駄目なのね」
「あれはギャンブルよ」
 純粋なそれだというのだ。
「それでパチンコでもね」
「儲けるものじゃないのね」
「パチンコでも儲けるのはね」
「親ね」
「つまりパチンコ屋さんよ」
 彼等だというのだ。
「だからお金をそちらでなくすつもりでないなら」
「しないことね」
「ギャンブルはね」
「正直私ギャンブルは無駄だってね」
 咲は自分の気持ちを述べた。 
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