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ドリトル先生と幸せになる犬

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第九幕その四

「それだけで飼うこともね」
「よくないよね」
「その生きもののことをよく知らないと」
「勉強していってね」
「それで一緒に暮らさないと駄目ね」
「それをしないと」
 それこそとです、先生は論文を書きながら皆にお話しました。
「ふわりの前の飼い主の人達と同じだよ」
「そうだよね」
「可愛いって言って衝動買いして」
「それで可愛いって可愛がったけれど」
「別の可愛い相手が来たら捨てる」
「そんな最低な人達になるね」
「可愛いだけじゃないんだ」 
 外見のことだけではないというのです。
「やっぱりね」
「そうよね」
「可愛いだけじゃなくてね」
「大事なのは心」
「内面が大事よね」
「ふわりなんてその性格を見たら」 
 それこそというのです。
「本当に素晴らしいね」
「全くだよね」
「あんないい娘いないよ」
「優しくて思いやりがあってね」
「よく気がついて」
「愛嬌もあって謙虚で」
「ふわりの心は宝石だよ」
 そこまでのものだというのです。
「本当に素晴らしいからね」
「宝石みたいに素晴らしくて」
「国崎さん達はふわりの性格にも惚れ惚れしているね」
「見ていてわかるわ」
「いつも性格を褒めているしね」
「動画でもね」
「そうだね、ふわりは可愛い外見にね」
 それに加えてというのです。
「素晴らしい頭を神様から与えられて」
「性格は後でついてくるわね」
「それは育まれるもので」
「後になって作られるわね」
「徳川家康さんもね」 
 江戸幕府を開いたこの人もというのです。
「鳴くまで待とうというね」
「我慢強い人だよね」
「気が長い」
「そうした人で有名だね」
「最初は結構我儘だったらしいから」
 子供の頃のこの人はというのです。
「それがだよ」
「後になってだね」
「そうした性格になったんだね」
「我慢強い性格になったのね」
「そうだよ、ふわりを産んだ父犬と母犬も」
 そしてというのです。
「ブリーダーの人もペットショップの人達もしっかりしていたね」
「いいご両親でね」
「いい人達だったね」
「どの人達の」
「ふわりの前の飼い主の人達はどう見ても誰かを育てる能力はないから」
 聞く限りではです。
「そう考えるとね」
「御両親と最初に接した人がいい人達で」
「優しくしっかり育ててもらって」
「それであの性格になったのね」
「そうだよ、そしていつも前の飼い主の人達のことを思いやって」
 例えそれが自分をおもちゃと思っていない人でもというのです。
「お姉ちゃんになるって聞いて生まれてくる子を思いやって」
「そうしてだね」
「さらにいい性格になったのね」
「いつも誰かを思いやっていたから」
「愛情を持っていて」
「誰かを思いやると優しさを持ってね」
 そうしてというのです。 
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