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ドリトル先生と幸せになる犬

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第六幕その十二

「ふわりはいい娘ですね」
「そうですよね」
「ずっと家族の人達を見ていますよね」
「温かい目で」
 ご主人も答えました。
「そうしてくれています」
「そうした娘ですね」
「あいつ等にもそうだったんですね」
「絶対にそうですね」 
 このことは間違いないというのです。
「本当に」
「けれどあいつ等はですね」90
「おもちゃですから」
 そう思っているからというのです。
「そうしたこともです」
「気付かなかったんですね」
「そうだと思います」
「絶対にそうですね」
「そしてです」
 それでというのです。
「零点の人に百点もののよさはわからないですね」
「そうですね」
「ですから」
「あいつ等はですね」
「ふわりの本当の素晴らしさをわかるレベルの人達じゃなかったんです」
「そういうことですね」
「ですから」
 それでというのです。
「捨てました、ですが」
「反省したらですか」
「僕はいいと思います、しかし」
 それでもとです、先生はさらに言いました。
「多分ですが」
「多分?」
「はい」
 悲しい顔での返事でした。
「おそらくです」
「反省しないですか」
「ご主人もそう思われますね」
「そんな連中じゃないです」
 ご主人もこう答えました。
「あいつ等は」
「そうですね」
「これまで一度もです」
「お二人共ですね」
「そんなことしないで生きてきましたから」
「そうですね、お話を聞いて思いました」
 こうご主人に答えました。
「僕も」
「そうですね」
「ですが僅かでも可能性があるなら」
「やってみることですね」
「それが学問ですから。それに」
 先生はさらに言いました。
「人の心に期待もしたいですから」
「反省して心を入れ替える、ですか」
「そうもしたいですから」
「だからですね」
「ここはこのままです」
 ことを進めてもらうというのです、そうお話してでした。
 先生は今は帰路につきました、お家に帰ったふわりはご主人に連れられてお家の中に入りました。先生達はそんなふわりを見送ってそれぞれのお家に帰って休みました。 
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